玉座の間にて
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39: ◆CItYBDS.l2[saga]
2021/02/13(土) 18:47:08.15 ID:ewOe4rJE0

あまりの歯痒さに、腸が煮えくり返りそうになる。だが、だからと言って祖母を投げ出すわけにもいかない。
俺は祖母の言葉に従い、じっと目を凝らす。

呼吸を整え、魔王の剣に穴が開くほどみつめる。
そうすると微かながら、その剣に違和感を覚える。魔王は、左手を庇っているようにみえた。

「何が見える?」

「大叔父上の一撃は、届いていたんだ」

よく見れば、魔王は傷こそ負っていないが当初より確実に動きが悪くなっている。
皆の必死の剣が、少しずつではあるが確実に魔王の体力を奪っているのだ。

「このまま数で押せば、いつかは魔王も倒せるかもしれない」

「その通り、だが奴が衰えるのを待つ気はないぞ。少しでも早く奴を倒せば、それだけ仲間の命を救える」


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