玉座の間にて
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46: ◆CItYBDS.l2[saga]
2021/02/13(土) 18:50:21.30 ID:ewOe4rJE0

「誰でもない、私が、私だけが真の勇者だ!」

伯母上の口上に連れられて、倒れたはずの一門の皆々が、続々と立ち上がる。

「いや、俺だ」「ワシこそが勇者だ」「勇者勇者勇者勇者勇者勇者」

動きを止められた魔王の体に、次々と剣が差し込まれていく。

「ぐあああああああああああああああ」

魔王の膝が地につく。しかし、それでも一門は止まらない。
受けた痛み、失った家族、勇者の一門に生まれた使命。あらゆる思いを載せて、皆が魔王へと剣を、槍を、斧を、突き立てていった。

その悲鳴が明け、魔王の目より光が失われた時分。
その体は、かつて生ある者であったとは思えぬ巨大な剣山と化していたのだった。


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