玉座の間にて
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45: ◆CItYBDS.l2[saga]
2021/02/13(土) 18:49:53.26 ID:ewOe4rJE0

大叔父上だ。袈裟切りにされて、倒れたはずの大叔父上が息を吹き返し、魔王を逃すまいと覆いかぶさったのだ。
それと時を同じくして、人ならざる獣じみた叫喚が骸の中よりあがった。

「あ゛あああ゛あ゛あ゛ああ゛ああ」

声にもならぬ声をあげたのは、顔をつぶされたはずの我が父であった。父は血と涎をまき散らしながら、魔王の足へと剣を突き立てた。

魔王の喉から唸り声があがる。

「このイカレどもめ、倒れたままなら生き残れたやもしれぬというに」

魔王が、まとわりつく親父たちを振りほどこうと剣を振り上げる。その手首が、伯母上の槍によって貫かれた。腹を割かれた伯母上は、漏れ出た腸を片腕で抱え込み、片膝ながら最期の一突きを見舞ったのだ。


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