8: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/03/08(月) 00:12:44.23 ID:Pb5RWNl50
   
    
 「おぉっと、それは聞き捨てなりませんね!!!」 
   
   
9: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/03/08(月) 00:13:16.01 ID:Pb5RWNl50
   
  バーン!と良い音を響かせながら事務室の扉が開いた。 
  その青い編み込みが目立つ本を抱えた少女は、思ったより勢いが付いてしまったのか、自分が響かせた音に一瞬身を縮めた後、再びキリリと前を向き直った。 
  
 「私たちはイケメン琴葉さん大好き委員会の者です! 話は聞かせてもらいました!」 
10: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/03/08(月) 00:14:00.16 ID:Pb5RWNl50
   
 「その顔はどうして私がイケメン琴葉さん好き好き委員会に所属しているのか分からない顔ですね」 
 「志保、名前が違うよ。イケメン琴葉さん大好き委員会」 
 「えっと、プロデューサー……?」 
 「ごめん、俺にも何も分からない」 
11: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/03/08(月) 00:14:44.53 ID:Pb5RWNl50
   
 「琴葉さ……お姉さまは、その端整な顔立ちだけでなく、凛とした佇まい、正義感溢れる振る舞いから間違いなくイケメンであると断言できます」 
  
  あぁ、ようやく理解した。 
  静香はミリオン女学園で琴葉と姉妹関係にあったんだった。確かにミス・ロータス役の琴葉とも触れ合う機会が沢山あったし、抱き締められたりもしてたっけ。 
12: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/03/08(月) 00:15:14.00 ID:Pb5RWNl50
   
 「そうか、確かにミリ女の琴葉はかっこよかったよな」 
 「静香……」 
  
  いや琴葉さん。作中の呼び方に戻ってますよ。 
13: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/03/08(月) 00:16:01.12 ID:Pb5RWNl50
   
 「アシュリー……」 
  
  はい琴葉さん早かった。正解です。 
  即座に役に入らないと気が済まない癖とかあったっけ。メモしておこう。 
14: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/03/08(月) 00:16:36.33 ID:Pb5RWNl50
   
 「マイティセーラーである私はデストルドー総帥の琴葉さんに洗脳されてダークセーラーとなりました。あの正義感に溢れ、最強と謳われた私が破壊の衝動の魅力に抗いながらも、なすすべなくデストルドーの暴力による支配を崇高してしまうんです」 
 「うん……?」 
 「絶対に悪の力には屈しないと、捕獲されながらも洗脳に対抗し続けたマイティセーラーがですよ? 本編ではその過程は語られませんでしたが、幕間では何があったと思いますか!?」 
  
15: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/03/08(月) 00:17:22.18 ID:Pb5RWNl50
   
 「それは……愛ですよ、愛!」 
 「えっ……」 
 「百合子ちゃん……?」 
  
16: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/03/08(月) 00:18:06.97 ID:Pb5RWNl50
   
 「洗脳される直前のコトハ総帥のマイティセーラーを認めるような発言。洗脳後も私に注がれる確かな信頼感。そしてただの駒であるはずの私に対してどこか優しさを感じる対応。これを愛と呼ばずに何と呼びますか!?」 
 「洗脳かな……?」 
 「志保、百合子の頬を引っ張れ」 
 「いや私は……、静香がやりなさいよ」 
17: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/03/08(月) 00:18:39.20 ID:Pb5RWNl50
   
 「それで、琴葉さんのイケメンっぷりをどうやって磨いていくかという話ですけど、プロデューサーさんは何かプランがあるんですか」 
 「ちょい、ちょい待って、その話はまだ……」 
  
  ん? 
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