小林「あなたは……誰ですか?」トール「……えっ?」【小林さんちのメイドラゴンSS】
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311: ◆bhlju8wMK6[saga]
2025/09/01(月) 22:06:38.64 ID:oEqW1vd60

トール’『――――ふ…………、ふざけるな! 人間、風情が……、謝罪に、あまつさえ同情だとっ!? 舐めるのも大概にしろ……っ!』フーッフーッ

小林「っ!」ビクッ

トール’『塵も残さず、消え去――』ギリッ

エルマ「待てっ、トールッ!」バッ

トール’『ああ゛っ? しゃしゃり出るなこの――』

エルマ「――私も、悪かったっ!!」ペコリ

トール’『――――――――は、ぁ?』グラッ

エルマ「……本当は、ずっと後悔していた。昔、共に旅していたお前と仲違いし、別れた事……」

エルマ「確かに私達には勢力の違いがあった。それぞれの矜持が、考え方の違いがあった。争う事自体は、避けられなかったのかもしれない」

エルマ「けどそれは、必ずしも別れる理由にはならなかったんじゃないかと、今は思うんだっ!」ギュッ

トール’『っ、お前っ…………!』

エルマ「違いがあっても、対立があっても! もっと対話を重ねれば、もっと一緒に旅を続けていれば!
    分かり合う道も、お前が独りで無茶をしなくてもいい選択も、あったんじゃないかって……!」

エルマ「……生きている内に、仲直りしたかった。昔みたいに一緒に過ごして、ご飯を食べたかった……っ!」ポロポロ

エルマ「だから……、ごめ゛ん゛、ドール゛……っ!!」グスッ

トール’『……………………っ!』

カンナ「私もごめんなさいっ、トール様っ!」バッ

トール’『っ!……カンナ……』

カンナ「私、ぜんぜん分かってなかった。自分が寂しいばっかりで、トール様に甘えるだけで……、
    トール様も寂しいんだとか、誰かに甘えたいんだとか、考えた事もなかった……」エグッエグッ

カンナ「私がトール様に支えてもらった分、私もトール様を支えなきゃだったのに……! ごめん、なさいっ!」ペコッ

トール’『………………っっ!』

滝谷「……では、僕も謝罪を」ザッ

トール’『っ? 今度は何だ……!?』バッ

小林「っ! 滝谷君……」

トール「ちょっ、滝谷さんも前に!?」ギョッ

滝谷「まあ、僕は小林さん以上に君と縁が遠い訳で、君が亡くなってしまった事に僕は一見ほとんど関係してない。
   だから、謝ると言うのも烏滸がましいのかもしれないけれど……」ポリポリ

滝谷「――でも、バタフライエフェクトとか、カオス理論とか。ほんの小さな条件の違いだけで結果が大きく変わってしまう事を表す言葉もある。
   僕が本当に君の死に一切関与していないかというと、それも絶対ではない」

滝谷「昨日から考えてたんだ。
   そもそもどうしてこっちの生きてるトール君の世界では小林さんがトール君を見つけられて、この世界では見つけられなかったんだろうって」

滝谷「……もしかしたら、僕が会社で小林さんに掛けた一言や、仕事でフォローしてもらった分の労力、ほんの少しの挨拶のし忘れ……。
   そうしたほんの些細な事が小林さんの体調に影響してその違いを生んだ、という可能性も、あるのかもしれない」

滝谷「だからまあ、自分の事をあまりに過大評価してるとも思うけど、それでも僕も君に謝りたい。
   僕にももっと、出来る事があったかもしれない。ごめんなさい」ペコリ

トール’『…………ッ…………〜〜〜〜ッ!!』ギシッ




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