小林「あなたは……誰ですか?」トール「……えっ?」【小林さんちのメイドラゴンSS】
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331: ◆bhlju8wMK6[saga]
2025/09/01(月) 23:08:12.53 ID:oEqW1vd60

トール’『……先程は、自分の意志でこの土地を離れないかの様に言ったが……。
     何の事はない、本当は自力で此処を離れられない事を隠して、見栄を張っていただけだ』ククッ……

トール「……そう、だったんですね。まあ、言われてみれば当然ではありましたか……」

トール’『この神剣は我を死に至らしめただけには飽き足らず、我の魂をも刺し貫き、今もこの地に縫い付けている。
     これまで何度も抵抗はしたが、まるでビクともしなかった』

トール’『その神力により、少しずつだが確実に我が魂も削り落とされているのを感じる。
     あと数年もすれば、我の魂は一片残らず消滅させられるだろう……。
     いつしか我も諦めて、自らの意志で此処に留まっているのだと自分を騙す様になっていた……』

エルマ「そんな……!」

小林「……で、でも、もう大丈夫なんだよね? これだけ強いドラゴンの皆さんが集まってるんだもん、力を合わせればきっと神剣も抜け……」

ルコア「……いや。実質的に、それは不可能だ」

小林「っルコアさん!? そんな……!」

ルコア「正確に言うなら、引き抜く事自体は可能だろうが、霊トール君の魂がそれに耐えられないだろう」

小林「……っ!」

ルコア「前にも言ったが、この神剣は神が“竜を殺す”という概念そのものを剣の形にした神器。
    ドラゴンは勿論、神への信仰心を持つ全ての者にとっても、触れる事すら儘ならない代物だ」

ルコア「そこに勢力の違いは関係なく、メイドトール君、エルマ、カンナ……、
    そして満身創痍の終焉帝では、残念ながら命懸けでも抜けはしないだろう」

トール「……………………」
エルマ「くっ……………………」
カンナ「うーっ……………………」
終焉帝「……………………」

ルコア「そして、僕とファフニール君なら、全身全霊で掛かれば、大怪我は免れないだろうが抜けはするだろう。するだろうが……」

トール「……殲滅対象であるドラゴンが触れれば、神剣は抵抗して魔力を励起する。その際の魔力の奔流で、霊の“私”の魂は弾け飛んでしまう……と」

ルコア「……ああ、神の権能相手に手加減は出来ない。
    霊トール君の魂を保護しながら、繊細に力をコントロールして神剣を抜くなんて芸当は、僕達でも困難だ」

ファフニール「……………………」ギリッ

滝谷(……あのプライド高いファフニール君も、否定せずに歯噛みだけして黙っている……。じゃあ、本当に……)




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