結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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787: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/16(日) 00:04:55.47 ID:PU+Tw3fzo


番外個体「――冗談っ、でしょッ!?」


 番外個体は前方に高出力の電撃を放つ。これは謎の機関銃女への攻撃のためじゃない。
 ドッ!! と高圧電流を浴びた空気が爆発し、番外個体の体が後方へ向かって吹き飛んだ。
 その先にあった反対側の曲がり角の壁へ、左肩からぶつかる。
 ゴキリ、と骨が外れる音が鳴る。変な体勢で激突したから脱臼したのだ。

 だが、今はそんなことを気にしている暇はない。
 番外個体は壁を蹴り、機関銃女から影になる曲がり角へと飛ぶ。


 ダガガガガガガガガッ!!


 狭い路地裏で凄まじい勢いで軍用アサルトライフルがフルオートで連射された。
 ピュン、ピュン、と弾丸があちこちへ跳ね返る音が聞こえる。
 番外個体は頭を抱えて体を丸めた状態で横たわって、被弾面積を狭くする。後頭部の方にある地面に弾が当たる音が聞こえた。
 運が悪ければ死んでるな、と番外個体は思った。

 弾が連射される音が止んだ。番外個体は壁を背にしながら様子を覗う。
 機関銃女は砂皿のところにいた。女は眉をひそめながら、


??????「ちっ、やっぱりただの機関銃じゃ決定力がなさ過ぎですね。いつもの軽機関散弾銃ならぱぱっと殺れたはずなんですが」

砂皿「そ、その声……まさか」


 倒れている砂皿を見て、機関銃女は嬉しそうな顔で喋りだした。


??????「お久しぶりです砂皿さーん! 間一髪でしたね!」

砂皿「『ステファニー=ゴージャスパレス』か?」

ステファニー「はい! あなたのかわいい愛弟子ステファニーですよ!」


 ステファニー=ゴージャスパレス。砂皿いわく彼女はそういう名前らしい。
 聞いたことない名前だ、と番外個体は大したデータの入っていない頭の中を検索して思う。
 あの二人の会話からして知り合いか何からしい。何なら知り合い以上の雰囲気を感じる。
 というか、知り合いがぶっ倒れている路地裏でアサルトライフルを乱射したのかあの女は、と番外個体は自分でも驚くくらい引いていた。
 ステファニーの視線が番外個体の居る方へと向けられる。


ステファニー「さて、そこに隠れている子ネコちゃん。悪いですが砂皿さんはやらせませんよ?」

番外個体「ステファニー=ゴージャスパレス、だっけ? あなたは一体何者なのかな? そこに転がっている砂皿緻密と同じ『スクール』に雇われた殺し屋さん?」

ステファニー「『スクール』? ああ、今砂皿さんが雇われている組織の名前がそんなでしたね、たしか」

番外個体「違うってことは、ほんとに何なのさ? 関係者でもないのに何でこんなところにいるわけ?」

ステファニー「ちょっとお仕事で学園都市に来る用事がありましてね、そのついでに砂皿さんの様子を見に来たら、って感じですかね?」

 



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