【シャニマス】果穂「マイヒーロー」
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2:名無しNIPPER
2021/08/28(土) 16:18:12.25 ID:IsY2Uyq60
 一番人気はちょこ先輩。お姉ちゃんになって欲しいのは凛世さん。少し大人っぽい子は将来夏葉さんみたいになりたいと言う。
 そんなありふれた会話の途中、一人の友達が何気なくそう言った。


3:名無しNIPPER
2021/08/28(土) 16:20:09.03 ID:IsY2Uyq60
「…怖くないよ」
「でも金髪だし…」
 そんなの関係ない。みんながかっこいいって言ってた315プロの人だって金髪だった。
「なんか、前ライブ見に行ったら無愛想だったね…」
 違う、樹里ちゃんはあの時緊張してただけ。新曲のラップを失敗しないように。
以下略 AAS



4:名無しNIPPER
2021/08/28(土) 16:22:14.42 ID:IsY2Uyq60
「ごめん!!ごめんね!!でも、その…」
「ううん…こっちこそ…」
「お、いたいた、果穂、レッスンに行くぞ…って…」
「あっ、プロデューサーさん!い、今行きます!」
 気まずいまま、アタシはレッスンのために教室を出る。
以下略 AAS



5:名無しNIPPER
2021/08/28(土) 16:23:32.40 ID:IsY2Uyq60
 学校を出て、レッスンをしていてもアタシの心は教室に置いてきたままだった。誤解した友達を更に誤解させたのはアタシだ。その事実がより一層アタシの心を掻き乱す。どうしてどうしてどうしてどうして…
「果穂…どうしたんだ?」
「…樹里ちゃん」
 そんな心の不調を一番知られたくない人に知られてしまった。今日ばかりは樹里ちゃんの優しさが憎い。


6:名無しNIPPER
2021/08/28(土) 16:24:54.05 ID:IsY2Uyq60
「たしかに…何かあったのか?果穂?」
 プロデューサーさんまで気づいてしまった。
「な、何でも…ないんです…」
「何でもないって顔してねーだろ…アタシには言えない話か?」
 全てを見透かしたように笑う樹里ちゃんの金髪は夕焼けが反射して、キラキラととても輝いて悲しいほどに綺麗だった。


7:名無しNIPPER
2021/08/28(土) 16:26:31.49 ID:IsY2Uyq60
「いや…その…」
「ん?」
 違う違う違う違う、そんな顔をさせたかったわけじゃない。その一心でアタシは間違えてしまった。
「樹里ちゃんは…不良じゃないですよね!」
「え?」
以下略 AAS



8:名無しNIPPER
2021/08/28(土) 16:29:10.13 ID:IsY2Uyq60
「ごめん…ごめんな、果穂…」
「ち、違うんです!!そうじゃ…そうじゃなくて…」
 こんな時にまで綺麗に煌めく樹里ちゃんの髪の毛が寂しそうに揺れる瞳と相まって息が詰まる。最低だ。アタシは大切な人を傷つけておきながらその人に見惚れている。
「果穂…それはな…」
「いいんだ、プロデューサー」
以下略 AAS



9:名無しNIPPER
2021/08/28(土) 16:29:45.08 ID:IsY2Uyq60
「なあ、プロデューサー、明日から髪の色戻すよ」
「樹里…」
「違います!!!」
 樹里ちゃんとは全然違う、大きな声をそれでもアタシは出さずにはいられなかった。
「違います!!!樹里ちゃん!!!樹里ちゃんは…樹里ちゃんは…」
以下略 AAS



10:名無しNIPPER
2021/08/28(土) 16:31:31.15 ID:IsY2Uyq60
「私は…樹里ちゃんが大好きです!!!」
「果穂…」
 言った。でもまだだ、まだ足りない。ちゃんと伝えないと。誰よりも優しくて、誰よりも強い樹里ちゃんに。ヒーローみたいな樹里ちゃん。いつもアタシたちを守ってくれる樹里ちゃんを、今度はアタシが守るんだ。


11:名無しNIPPER
2021/08/28(土) 16:32:29.58 ID:IsY2Uyq60
「樹里ちゃんは、いっつもとっても、誰にでも優しくて…ヒーローみたいで…だからアタシは大好きで…」
「…はは、こんなガラの悪いヒーローいねぇよ」
「いえ!!樹里ちゃんは…誰がなんと言おうとヒーローです!!」
「果穂…」
「そうだよな、果穂、樹里は誰より優しいもんな」
以下略 AAS



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