キョン「手、繋ぐか?」涼宮ハルヒ「バカ。調子に乗んなっての」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2021/10/24(日) 00:28:18.47 ID:vG0bMMmYO
「佐々木……? なんで、お前が……?」
「何故という質問に対して僕が用意出来る回答はただひとつ。なんとなく、さ。なんとなく今日は電車に乗りたくなかったし、なんとなく北高方面に足を向けた。その理由はすなわち、なんとなくキミの顔を見たくなったからという結論に至る訳だ。困ったことにね」

恐らく幽霊でも見るような目をしている俺に対して、佐々木は記憶の中の佐々木のまま、小難しい物言いでこの場に自分が存在する理由を説明し、そしてくつくつと喉を鳴らす。

シニカルに、口の端を曲げて、肩を揺らす。

それこそが佐々木の独特な笑い方であり、それこそが目の前の少女が佐々木であるという存在証明であるとも言え、肩の力が抜けた。

「よう……久しぶりだな、佐々木」
「久しぶりだね、キョン」

改めて現実世界の出来事であると認識した俺が挨拶をすると、中学卒業以来会っていなかった佐々木はまるで昨日ぶりかのような気軽さで挨拶を返してきた。懐かしさすらない。

「せっかくだし、どっかで何か食べるか?」
「そうだね。キミが何故、この世の終わりみたいな顔をしていたのかについて興味があるし、僕に話を聞いて欲しいようだから会食することはやぶさかではない。困っている友人を見過ごせるほど、僕は冷たくないからね」

というわけでお言葉に甘えて、近場の茶店で軽食を食べることにした。いや、佐々木が言う通り、俺は今朝の話を聞いて欲しかった。


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