タツマキ「この私こそが、正義よね」サイタマ「はは。完全にヤベー奴だな」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2021/11/24(水) 23:19:46.00 ID:85wXS3rNO
「帰らないのか?」
「うっさいわね……アンタこそ帰れば?」

しばらく2人でぼけっと月を眺めていたら帰るタイミングを失ってしまった。このまま帰らなければ彼はどうするだろう。家にあげてくれるだろうか。別に、期待してないケド。

「俺はまだ、ひと仕事ある」
「え?」

淡い期待は霧散して世界が壊れる音がした。

「なにアレ、怪人?」
「だろうな」

そいつはまるで月蝕のように月の裏側から現れた。みるみるうちに月面を覆い尽くしていく。あっという間に、月は真っ黒になった。

真っ暗な月が浮かぶ夜空はそこだけが切り取られてぽっかり穴が空いているようだった。

「不気味ね……」
「ああ。だから、ちょっと行ってくる」
「へ? あ、ちょ、ちょっと!?」

ズンッと地面が沈み、次の瞬間、衝撃波と共にサイタマの姿が消えた。彼は行ってくると言った。どこに。まさか。頭上を見上げて息を飲む。真っ暗に汚れた月が、まるで洗剤を垂らしたように白く、綺麗になっていった。

「綺麗……」

アドレナリンが、噴き出してくる。


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