286:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:32:15.60 ID:XVB8s0iW0
  
 対してスパーダの側も、その曝けだされた激情に触れたことで 
 魔帝の本性を改めて理解した。 
  
 垣間見えるは完全無欠たる真の悪意。 
287:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:32:53.85 ID:XVB8s0iW0
  
 悪魔に人間の要素を加えることで、その悪魔の力は飛躍的に増しうる。 
 それは『果実』が究極的な形ですでに証明している。 
  
 とはいえ、この『果実』が究極的な形というのは、 
288:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:33:32.49 ID:XVB8s0iW0
  
 限界を超えたスパーダを動力源とし、 
 魔女の技巧がついに魔帝の「創造」を捕らえはじめた。 
  
 愛する二人の絆で紡がれるかのように、 
289:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:33:59.66 ID:XVB8s0iW0
  
 しかし完璧とまではいかなかった。 
 スパーダは「創造」を極限まで鈍化させはしたが、 
 完全な機能停止に追いこむことはできなかった。 
  
290:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:35:01.35 ID:XVB8s0iW0
  
 これもまた、この極限の戦いの中で垣間見えた未来の一つであった。 
 そしてスパーダ同様、この未来はムンドゥスにも見えており、 
 彼は敗北の瞬間にありながら悪辣に笑った。 
  
291:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:36:11.77 ID:XVB8s0iW0
  
 それは人間の「愛」を知ったが故の、 
 「愛」を標的にした復讐の決意。 
 スパーダの心理を理解したからこその、 
 スパーダがもっとも恐れる形の悪意を示した形だった。 
292:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:36:52.91 ID:XVB8s0iW0
  
 こうして戦いは終わった。 
 魔帝による人間界侵略は阻止され、 
 魔帝、そして魔族そのものが、 
 魔界史上初めてとなる完全敗北を喫した。 
293:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:37:20.35 ID:XVB8s0iW0
  
 8  また逢う日まで 
  
 魔帝軍が殲滅、そして魔帝が敗北。 
 それもスパーダただ一人によって。 
294:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:37:47.28 ID:XVB8s0iW0
  
 それゆえ、帰還したスパーダが 
 天界・人間界諸勢力との話し合いを打診した時も、 
 彼らは決闘の申し出のように受けとって臨戦態勢を取るほどだった。 
  
295:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:38:26.83 ID:XVB8s0iW0
  
 定められた会談の場所は、 
 かつてエーシルが座した霊峰フィンブルヴェトル、 
 その麓にある太古の広場、「神儀の間」とも呼ばれる霊域。 
  
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