豊川風花「140日に1度のチャンス」
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15: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 13:48:03.81 ID:sRuakiC/0
 実際にはそうではなかった。
 いや、そうではなかったようだ。
 プロデューサーさんは時間通り、朝の8時に私の部屋のインターホンを押した。
 おかしくなるぐらいに、そしてお仕事と混同してるんじゃないかと思ってしまうぐらいにキッカリ朝8時にインターホンが鳴ったのだ。

P「用意はできてるみたいだな。じゃあ行こうか」

風花「はい。あの……今日はどちらに?」

 軽く驚いたような表情になると、プロデューサーさんは頭をかいた。

P「言ってなかったな。映画だ」

風花「映画……なにを見るんですか?」

P「パラノーマル・アクティビティ」

 簡素な答えの中に、私はプロデューサーさんが浮かれている事実を見つけた。
 それは少年が、楽しみにしている夏休みの予定を答えるような、大好きな給食のメニューを答えるような、本当に嬉しそうな感情がこもっていたからだ。


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