星輝子「真夏みたいに気持ち悪い」
1- 20
1: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 00:23:18.80 ID:Sev9O2YP0
『真夏』という単語を聞くと、何を想像するだろうか。
澄み渡るような青空、潮風が心地よい海、
友達と食べる氷菓子、浴衣を着ての夏祭り。
そういった夏の風物詩を何の疑いもなく思い浮かべられるのなら、
その人はおそらく、とてつもなく幸福だ。

彼女は違う。
脳味噌が腐るような暑さ、ところ構わず湧き出る蟲、
それによる苛立ちを隠そうともしない人々。
その上で自分は幸福であると周りに見せびらかそうと必死なリア充ども。

彼女は真夏を、毎年必ず自分に降りかかる災害と考えていた。
湿気により、普段よりよく見るようになる『トモダチ』。
それだけを心の支えにし、彼女はこの数ヶ月をひっそりと・・・
『キノコ』のように、耐え忍んでいた。

SSWiki : ss.vip2ch.com



2: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 00:28:28.92 ID:Sev9O2YP0
「お前、キノコじゃなかったのかァーーーッ!!!」

地響きのような重低音が鳴り響く。
ステージは小さく、観客は両手で数え切れる。
だがこの場所は、ドームの大舞台を彷彿とさせるほどの圧倒的な熱量を放っていた。
以下略 AAS



3: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 00:30:21.32 ID:Sev9O2YP0
「今日は来てくれてありがとう」

曲が終わり、彼女は客席に向かって語る。
歌唱中とは打って変わって荒々しさが抜け、年相応の可愛らしい声と風貌となった。
マイクを使っているからなんとか聞こえるが、もはや観客の声の方が大きい。
以下略 AAS



4: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 00:32:27.51 ID:Sev9O2YP0
「お疲れ、輝子!最高のライブだったな!」

「あ、ああ。ありがとう、プロデューサー」

楽屋に戻った輝子に男がタオルを手渡し、右手を挙げる。
以下略 AAS



5: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 00:33:24.27 ID:Sev9O2YP0
プロデューサーは驚きながら名刺をまじまじと見つめていると、その男は彼にぼそぼそと耳打ちした。
輝子はプロデューサーの顔を見て驚いた。
普段の彼は温厚で、注意をする事はあれど怒った顔など見た事ない。
なのにその時、彼はすごい怖い顔をして男を怒鳴った。

以下略 AAS



6: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 00:34:58.24 ID:Sev9O2YP0
それから数週間、輝子はいつものように日々を過ごした。
アイドルとしての仕事もいつも通りこなし、プロデューサーと遊んだりした。
その時、彼にほんの少し違和感のようなものがあった。
輝子と話していると、どこか遠い目をしたり、辛そうな顔を見せた。
だがそれは一瞬の事だったので輝子は気のせいだろうと思い、特に何かする事はなかった。


7: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 00:35:55.83 ID:Sev9O2YP0
ある日、いつものレッスン終わりにプロデューサーは輝子を呼び出した。

「なんだ?親友……」

プロデューサーに促され、向かいの席に座る。
以下略 AAS



64Res/75.97 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice