20: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/26(火) 00:17:29.55 ID:DJtq/vHtO
 「だけど、事実困ったことになったにゃー。これで浄化システムを、異世界に広げるのは難しくなったよ」 
 「元々、浄化システムを広げる方法も、まだ判明していないんだけどね」 
 「オレたちがミラーズに入れないなら、他のヤツに頼るしかねーな。でも、どう言い訳すりゃいいんだ?」 
 「それについては、追々考えましょう。今日はもう日が沈みかけてることだし」 
 「あの、私からもいいですか?もう手遅れじゃないかと思ったんですけど……」 
 「二葉さん、手遅れとは一体…?」 
 「今日のお話が始まる前、織莉子さんは、キリカさんがミラーズの調査をしているはず、と仰いましたよね?」 
 「……あっ!!」 
 「織莉子さん、もしかして、相方の人に今日の話は……?」 
 「……既に話をしてあります。二葉さんのおっしゃる通り、あの子に別件で動いてもらっていたというのが、 
  ミラーズの調査のことですので」 
 「あちゃー……」 
 「お、織莉子ちゃん、済んだことは仕方ないよ。悪気があったわけじゃないし」 
 「アリナ発見は難しくなるでしょうけど、事実は受け入れるしかないわ」 
 「本当にすみません……なんとお詫びを申し上げればいいのか……」 
 「どうせバレちゃってるんだし、ミラーズには、これからも入れるって思えばいいよ」 
 「余計な言い訳を考えなくていいんだ。だから気にすんなよ」 
 「それは違うと思います」 
 「私もそう思うな」 
 「なんでだよ?」 
 「鶴乃、フェリシア。織莉子さんがキリカさんに調査を依頼したのは、ここに来る前。 
  読み取られた記憶に、今日の会合のことが含まれているはずがない。だけど今は、 
  会合を行った後で、今後をどうするかを考えている」 
 「あ、そっか……。会合のことを知られた時点で、バレるって言ってたよね……」 
 「それじゃ、やっぱりオレたち、ミラーズにはもう入れないのか……」 
  
 フェリシアが肩を落として呟くと、居間を沈黙が包んだ。 
 しかし、その沈黙は次に口を開いた出席者によって、一瞬で破られる。 
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