19: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/26(火) 00:11:54.83 ID:DJtq/vHtO
 織莉子は帰路に就く前、約束通りかごめの取材を受けた。 
 取材の場で織莉子は、自身が世界に存在する意味と、自信の能力を以って、 
 自分が何を成すべきかを悩んだ日々を語った。 
  
 自分の目的のために、関係ない少女を巻き込んで魔法少女にしてしまったこと、 
 みかづき荘の住人と対峙したが、いろはが他者との絆を信じる姿を見て救世に 
 対する考えを改めたこと、自身の心の声に正直になろうと決めたことを語った。 
  
 取材を終えた後、織莉子はみかづき荘を後にしようとしたが、ねむが呼び止めた。 
  
 「すまない。大事なことを一つ言い忘れた」 
 「なんでしょうか?」 
 「今後、僕たちはミラーズを使うことはできない」 
 「柊さん、それはどういうことかしら?」 
 「アリナがミラーズに隠れている可能性を考えてみた。ミラーズは僕たち魔法少女の 
  記憶を読み取れる。未来で人類が滅ぶ原因がアリナだとしたら、鏡の魔女と利害が 
  一致しているともいえるよね」 
 「……仰りたいことは分かりました。今日の情報を、ミラーズのコピーがアリナに 
  伝えるかもしれない。そうなればアリナが完全に雲隠れしてしまって、私たちは 
  アリナ発見を断念することになる」 
 「察しがいいね。そういうわけで、この場にいる全員、今日限りでミラーズに入ることは 
  出来なくなってしまった、ということだよ」 
 「ど、どうしましょう、やちよさん。私たちじゃ、鏡の魔女を倒せなくなったも同然ですよ」 
 「み、皆さん、申し訳ございません。私、予知した未来のことで手一杯になってしまって、 
  そちらのことは全く考えていませんでした……」 
 「待って。起きてしまったことを責めても、どうにもならないわ。それに、あなたは危機を 
  未来の危機を知らせに来たのであって、魔女退治の邪魔をしに来たのではないもの。 
  あなたは悪くないから、気にしないでちょうだい」 
 「……そう言ってもらえると、助かります」 
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