183: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/06(日) 14:31:10.68 ID:waqA86PW0
  
 地面に墜落する直前で、バサッと翼を羽ばたかせて、再び空に飛び立つ。 
  
  
 侑「ワシボン……! よかった……」 
  
 花丸「気合いは十分あるみたいだね。でも、気合いだけじゃ次は耐えられないよ」 
  
 侑「……っ」 
  
  
 花丸さんの言うとおり、次は恐らく耐えられない。 
  
  
  「メェーー」 
  
  
 考えている間にも、ウールーは再び──パチパチパチと音を立てながら、静電気を蓄え始める。 
  
 もう時間がない……! 
  
 ──そのときだった。──バチンと大きな音がしたと思ったら。 
  
  
  「メ…!?」 
  
  
 ウールーの体毛の先がチリチリと燃えていた。 
  
  
  「メ、メェェ!!!?」 
 花丸「!? こ、転がって火を消して!」 
  
  「メ、メェェ」 
  
  
 コロコロと転がりながら、ウールーが自分の毛に点いた火を消しにかかる。 
  
  
 花丸「……静電気がショートしちゃったずら」 
  
  
 もしかして、あのモコモコの体毛……すごい防御力を誇る代わりに──すごく燃えやすい……? 
  
  
 侑「なら……!! ワシボン!!」 
  
  「ワシャッ!!!」 
  
 侑「“はがねのつばさ”!!」 
  
  「ワッシャッ!!!!」 
  
  
 ワシボンが空中からきりもみ回転をしながら、急降下を始める。 
  
  
 花丸「上から来るなら、狙い撃つまで! “エレキボール”ずら!」 
  「メェェーーー!!!!」 
  
  
 ウールーから放たれる“エレキボール”。確かにウールーに一直線に突っ込んで行ったら、この攻撃を避けるのは難しい。でも、ワシボンが狙ってるのは……! 
  
  
  「ワッシャッ!!!!」 
  
  
 ──急にギュンと角度を変え、ワシボンが地面に向かって突っ込む。 
  
  
 花丸「ずらっ!?」 
  
  
 花丸さんの驚きの声と共に、鋼鉄の翼がフィールドの床を砕く。 
  
 砕かれた反動で浮き上がった瓦礫をそのまま、 
  
  
 侑「瓦礫を羽で弾いて!!」 
  「ワッシャァッ!!!!」 
  
  
 ──ウールーに向けて、撃ち放つ……!! 
  
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