510: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/23(水) 12:34:13.85 ID:O3G9ZVHQ0
恐らく移動して、風上に来てしまったというのもありそうだ。
歩夢「そこから、もう少し“アロマセラピー”の範囲、広げられる?」
「マホ〜〜〜!!!」
マホミルがさっきよりも大きな鳴き声をあげながら、“アロマセラピー”を発動すると、
歩夢「あ……ちょっとだけ、匂いが届くね! その調子!」
今度は私のもとに匂いが届いてきた。
女の人「なるほど……補助の得意なマホミルは少しでもサポート出来る範囲を広げるための特訓、ということですね」
歩夢「あ、はい」
女の人「ふふ、面白い特訓方法ですわね」
女の人は思ったよりも、楽しそうに私の特訓を観察していた。ホントに変わった人かも……。
歩夢「じゃあ、もう少し離れたところまで──」
私がマホミルの方を見ながら、少しずつ距離を取って後退していたそのとき、
歩夢「きゃっ!?」
「──タマッ」
何かに躓いて背中側から転んでしまう。
歩夢「いたた……」
女の人「大丈夫ですか……?」
転んだ私を見て、女の人が駆け寄ってくる。
歩夢「は、はい、下が砂だったので、怪我とかは……。……突然、何かに躓いて……」
足元を見ると、
「タマッ…」
青くて丸いポケモンが蹲っていた。
歩夢「ポケモン!? ご、ごめんね!? 怪我してない!?」
「タマ…」
間近で見て確認をすると、少し怯えてこそいるものの、怪我はしていなさそうで安心する。
女の人「このポケモンは……タマザラシですわね」
歩夢「タマザラシ……? タマザラシって、寒い海にいるポケモンですよね?」
女の人「はい、ですからあまりこの辺りにはいないのですが……何分まだ泳ぐのが苦手なポケモンなので、たまにこうして流されて来てしまうことがあって……」
歩夢「そうなんですか……」
つまり、群れからはぐれてしまった子のようだ。
「タマ…」
タマザラシは不安そうに、私に身を寄せてくる。
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