侑「ポケットモンスター虹ヶ咲!」
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511: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/23(水) 12:35:31.97 ID:O3G9ZVHQ0

歩夢「お腹空いてるの? ……あ、“きのみ”があるから、ちょっと待っててね」


私はバッグから“フィラのみ”を取り出して、タマザラシに与える。


女の人「あ、その“きのみ”は……!」

 「タマ…♪」


タマザラシは“フィラのみ”を見ると、おいしそうに食べ始めた。


歩夢「ふふ、好きな味だもんね♪ まだ、たくさんあるからね♪」
 「タマ♪」

女の人「……あの」

歩夢「? なんですか?」

女の人「どうして、その子が辛い味が好きだとわかったのですか?」

歩夢「え?」

女の人「“フィラのみ”は強い辛味成分を含む“きのみ”で、苦手なポケモンは食べたら“こんらん”してしまうほどです……味の好みを完全に把握していないと、普通はあげられないのではと思いまして……」

歩夢「えっと……でも、この子、私に擦り寄ってきたので……“さみしがり”な子なのかなって。“さみしがり”な子は辛い味が好きで、すっぱい味が嫌いですし……」

女の人「この短時間で、初めて出会ったポケモンの性格を……」

歩夢「……?」

女の人「やはり、貴方は面白いトレーナーですわね」

歩夢「は、はぁ……ありがとうございます……?」


なんだかよくわからないけど……感心されてしまった。


女の人「そのタマザラシ、よかったら貴方が連れていってあげてください」

歩夢「え?」

女の人「群れからはぐれたタマザラシが元の群れに追い付くのは難しいでしょうし……“きのみ”をくれた貴方を信用しているようですから」

 「タマァ♪」

歩夢「……タマザラシ、私と一緒に冒険してくれる?」
 「タマ、タマァ♪」


問いかけると、タマザラシは嬉しそうに身を寄せてきた。


歩夢「うん。それなら、一緒に行こうか♪」
 「タマ♪」

女の人「ふふ、素敵なものを見せてもらったところで……わたくしはそろそろ帰りますわね」

歩夢「あ、はい。暗いのでお気を付けて……」

女の人「貴方も。……そうそう、貴方の特訓を見ていて思いましたが……」

歩夢「?」

女の人「貴方の持ち味は、鋭い攻撃や精度の高い技ではなくではなく……きっと、その優しさや愛情、ポケモンをよく見ている、その観察力にあると思いますわ。……なんて、余計なお世話かもしれませんが」

歩夢「……前にも、他の人から同じようなことを言われました」


少し言葉の選び方は違うけど……ニュアンス的にはエマさんが言っていたことに似ている気がする。


女の人「それを鍛えていくのではダメなのですか?」

歩夢「ダメ、というか……。……自信が欲しいんです」

女の人「自信、ですか……?」

歩夢「さっき大事な試合があるって言いましたよね。……その試合のことを考えると、まだ不安で。また負けちゃうんじゃないかなって……そんな風に考えちゃって……」



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