509: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/23(水) 12:33:21.52 ID:O3G9ZVHQ0
同時に2つ放り投げた、小石を、
歩夢「“にどげり”」
「ラビ、フット!!!!!」
的確に2つ蹴り飛ばす。
歩夢「うん! 上手だよ! もう1回!」
「ラフット!!!」
「──ふふ、特訓ですか?」
歩夢「っ!?」
急に声を掛けられて、ビクっとしてしまう。
歩夢「あ、えっと……」
女の人「あら……ごめんなさい。驚かせるつもりはなくて」
歩夢「い、いえ……」
女の人「こんな暗い中特訓なんて、精が出ますわね。ポケモントレーナーさんですか?」
歩夢「は、はい」
私に話しかけてきたのは、髪の長いお姉さんだった。
夜の砂浜は街灯もないため、髪が長いくらいの特徴しかわからないけど……とにかく、優しい声と柔らかい口調で喋る人だ。
女の人「技の命中精度を上げる特訓ですか……」
歩夢「はい。……少しでも、強くなりたくて」
女の人「ふふ、強くなるためには、焦りは禁物ですわよ? 実力というものはゆっくりと時間を掛けて身に着けても……」
歩夢「……私、近いうちに大事な試合があるんです」
女の人「……では、それに向けての特訓……ということですか」
歩夢「はい。……その試合、実は再戦で……今度は絶対に勝ちたいんです。それに、マルチバトルだから、一緒に戦ってくれる子の足を引っ張らないように、少しでも強くならないと……」
女の人「なるほど……。少し、ここで見ていてもいいですか?」
歩夢「え? いいですけど……きっと、面白くないですよ?」
女の人「いえ、頑張っている人を見るのが好きなので」
歩夢「は、はぁ……」
なんだか変わった人だなと思った。
でもまあ……本当に見ているだけなら、別に断る理由もないかな……。
歩夢「えっと……それじゃ、次はマホミル」
「マホミ〜♪」
私はマホミルから少し離れた場所に移動して、
歩夢「マホミル! “アロマセラピー”!」
「マホ〜〜」
マホミルの匂いが届くのを待つ。
歩夢「……えっと、じゃあ次はこっちに移動して……もう1回!」
「マホミ〜♪」
歩夢「……うーん、ここだともう届かない……」
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