813: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/08(木) 10:32:18.16 ID:S2FBcmzU0
  
     😈    😈    😈 
  
  
  
  
  
 私は菜々と何度かやり取りをして、彼女のプロフィールを教えてもらった。 
  
 ナカガワ・菜々。 
  
 歳は15歳。 
  
 住んでいるのはローズシティ。 
  
 そして、驚くことにローズの名門スクールに通っている子だった。 
  
 そのスクールは今どき珍しい座学メインで、ポケモンの授業がほとんどない学校。 
  
 ほとんどの生徒がそのままローズの大企業に就職すると聞く。 
  
 そんな学校に通うだけあって、今までポケモンに触れた経験はなし。 
  
 ただ、本人はポケモンにすごく興味があり、どうしても旅に出てみたくて、いろいろ調べているうちに、偶然私が新人トレーナーを探しているということにたどり着いたらしかった。 
  
 これから初めてポケモンと関わって、一緒に過ごして、繋がりを作っていこうとしている少女……。まさに私が探している人物像そのものだった。 
  
 運命すら感じた。 
  
  
 善子「──菜々は、どんなポケモントレーナーになりたい?」 
  
 菜々『すっごく強いポケモントレーナーになりたいです……! 誰にも負けない、ポケモントレーナー! 私……そんなトレーナーになれますか……?』 
  
 善子「ええ、きっとなれるわ。そういう風に言ってて、本当に強くなった友達がいるの」 
  
 菜々『本当ですか……!』 
  
  
 菜々との打ち合わせは順調に進んでいった。 
  
 ──そして、彼女の旅立ちまであと1週間と迫ったある日のことだった。 
  
 ポケギアが鳴り響き、画面を確認すると、いつものように、菜々の番号からだった。 
  
  
 善子「もしもし、菜々?」 
  
 菜々『……ヨハネ……博士……っ……』 
  
 善子「……菜々?」 
  
  
 通話越しでも、すぐに理解できた。 
  
 菜々の声が、震えていた。 
  
  
 善子「どうしたの、菜々!? 何かあったの!?」 
  
 菜々『ご、ごめん……なさい……。あ、あの……お、親に……代わり、ます……』 
  
 善子「え……?」 
  
  
 親……? 
  
  
 菜々父『──初めまして、ツシマ博士でしょうか』 
  
  
 ポケギアの向こうから聞こえてきたのは、男性の声だった。 
  
 つまり、菜々の父親だろう。 
  
 真面目そうで、堅い……威圧感のある声。 
  
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