824: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/09(金) 12:30:29.69 ID:9oar5n900
  
 ■Chapter042 『菜々──せつ菜』 【SIDE Setsuna】 
  
  
  
  
  
 ──カーテンクリフで修行していた私は、急な仕事が入ったため、一旦ローズシティへと帰ってきていた。 
  
 どうやら、直近の会議の中でスケジュールそのものを調整しなくてはいけないらしく、それなら秘書である私も同席せざるを得ない。 
  
 会議は明日の朝一からあるため、前日のうちにローズへ戻ってきたというわけだ。 
  
  
 せつ菜「三つ編み……大丈夫。髪留めも……よし。ちゃんと外してる」 
  
  
 手鏡で自分の姿を確認。 
  
 あとは……ポケモンたち。 
  
  
 せつ菜「みんな、窮屈かもしれないけど……少しの間、我慢してくださいね」 
  
  
 ボールをベルトごと外して、カバンに入れる。 
  
 最後に、上着のポケットから眼鏡を取り出して── 
  
 ユウキ・せつ菜は……ナカガワ・菜々になる。 
  
  
 菜々「……ふぅ」 
  
  
 小さく息を整えてから、私は──久しぶりに帰ることになった自宅を目指して、歩き始めた。 
  
  
  
  
  
     🎙    🎙    🎙 
  
  
  
  
  
 菜々「……ただいま」 
  
 菜々母「あら、菜々。おかえり」 
  
  
 帰宅して、自宅のリビングへ赴くと、母親が紅茶を飲みながら映画鑑賞をしているところだった。 
  
 ただ、ポケウッドでやっているような溌剌なものではなく、いかにも貴婦人が好みそうな洋画であることが、今ワンシーンをちらりと見ただけでもよくわかった。 
  
 なんというか……いつものお母さんの昼下がりだ。 
  
  
 菜々「……お父さんは?」 
  
 菜々母「お仕事よ。平日だもの。今日は遅くなるみたいで、帰ってくるのは深夜になるって言ってたわ」 
  
 菜々「……そっか」 
  
  
 今日帰ることは予め連絡していたんだけどな……。 
  
 久しぶりに娘が帰ってきたというのに、仕事熱心なようで何よりだ。 
  
  
 菜々母「それより菜々こそ、お仕事の方はどう? 順調?」 
  
 菜々「うん。真姫さんも優しいし……仕事もやりがいがあって楽しいよ」 
  
 菜々母「なら、安心だわ。あの真姫お嬢様の秘書になるって聞いたときは驚いたけど……誰もが出来る仕事じゃないものね。お母さんも誇らしいわ」 
  
  
 そう言いながら、ニコっと笑うお母さん。 
  
  
 菜々母「今日は菜々の好きな物、作ってあげるわ♪」 
  
 菜々「うん、ありがとう。楽しみにしてるね」 
  
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