836: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/09(金) 12:41:58.16 ID:9oar5n900
  
 真姫「菜々の話とも辻褄が合う……。十中八九、このナカガワ社長が菜々のお父さんで間違いないわね……」 
  
  
 確か……数回程度だけど、私も父親と一緒に会ったことがあった気がする……。 
  
 そういえば、優秀な娘が居るという自慢をしていたような……。 
  
  
 真姫「ゆくゆくは娘も……ニシキノのグループ傘下の会社に……とかも言ってたような」 
  
  
 私は、菜々の言葉を思い出す。 
  
 ──『ただ……そのとき私を助けてくれたポケモントレーナーの人たちを見て……ああ、なんてかっこいいんだろう。私もあんな風にかっこよくて、強くて……誰かを守れる人になりたい……そう強く思ったことだけは覚えてます」── 
  
 ──『……でも、ダメなんです。……私は、ポケモンを持っちゃいけない人間なので……ポケモンと関わっちゃいけない人間なんです……』── 
  
 15歳そこそこの女の子が、そんな風に自分の夢を諦めていいのだろうか。 
  
  
 真姫「……ダメよ、そんなの」 
  
  
 ……正直リスクはある。だけど、今の菜々は昔の自分を見るようで──黙って見ていることが出来なかった。 
  
 それに私には、それを可能に出来るカードが揃っている。 
  
  
 真姫「……梨子のときと言い……私ってお節介焼きなのかしら……」 
  
  
 自分ではドライな方であるつもりなのにね。 
  
  
 真姫「……いいわ、私がどうにかしてあげようじゃない」 
  
  
  
  
  
     🍅    🍅    🍅 
  
  
  
  
  
 ──次の日。 
  
 バトル施設に赴くと、 
  
  
 真姫「菜々。こんにちは」 
  
 菜々「……あ、真姫さん……」 
  
  
 菜々は今日もバトル施設に来ていた。 
  
  
 菜々「あの……昨日はおかしな話を聞かせてしまって……」 
  
 真姫「そんなことは良いの、ちょっと一緒に来てくれない?」 
  
  
 私は菜々の手を取って、立ち上がらせる。 
  
  
 菜々「え、えぇ……?」 
  
  
 困惑気味の菜々を強引に引っ張って歩き出した。 
  
  
  
  
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