剣聖が鍛冶屋を営むようです
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7:名無しNIPPER[saga]
2024/02/24(土) 18:01:17.83 ID:4clhkh6FO
関所で軽く審査を受けたステラは、ギルド職員にプルガトルスの処理を押し付けようと画策する。こんな重い荷物はさっさと手放すに限るのだ。
しかし、事がそう恙なく進むことはなく。ステラは目の前の光景にげんなりとしていた。

「ロードレア様ー!サインくださいー!!!」
「馬鹿お前抜け駆けすんな、順番待ちがいるんだぞ!」
「め、【滅龍の剣聖ステラ・ロードレア】ですわ…!まさか本物とご対面できるだなんて!結婚を前提としてお付きあべし!?」
「なぁに粉掛けようとしてんのよ!?そーいうのはアタシの役割でしょ!??ってかアンタそんなキャラじゃないでしょうが!!!」
「皆さんお静かに!おーしーずーかーにー!!!!!!」

プルガトルスの解体を依頼した際に普通に名乗ってしまったのが不味かった。
普段は適当な名前を使っているのだが、単独でプルガトルスを仕留めたことを怪しまれたので渋々本名を伝えた結果がこれである。
こういう時のために仮の身分を作っておけばよかった、と後悔するも後の祭り。
こんな大騒ぎでは換金どころの話ではない。ので、ちょっと野次馬連中には静かにしてもらうことにした。

冷めた表情のステラは加速魔法を発動し、長剣を鞘ごと振り回す。
秒間十六連打の兜割りが馬鹿騒ぎをしていた冒険者たちの脳天にお見舞いされ、爽快な打撃音がギルド中に響き渡る。
音を言葉にするならゴギガガガギゴゴンゴンゴン、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴカカカ、といったところか。

時間にして僅か三秒足らず。ギルド内の冒険者数十名を鎮圧するまでに要した時間だ。当然だが、誰一人として怪我人は出していない。
ちょっと記憶が飛んだりタンコブができたりする人は続出するだろうが、その程度は冒険者ならよくあることだ。
怪我の内に入らないから大丈夫だろう。たぶん。そういうことにしておこう。


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