23:名無しNIPPER[sage]
2024/09/18(水) 17:56:21.97 ID:fzlLlSi8O
 鞠莉はもう……いない。 
  
 その上ダイヤまで失ってしまったら、私はきっとどうにかなってしまう。曜が言っていた通り、私がダイヤの側にいても何も変わらないどころか、邪魔になるだけかもしれない。それでも…… 
  
 「嫌だよ……見捨てられないよ……逃げてなんかいられないよ…!」 
  
  
 果南は爆発音があった場所を中心に、集落から距離を取って円を描くように捜索を続けていた。 
  
 爆発音の後には何も音は聞こえてこなかった。ダイヤの武器は銃だけだ。μ’sのメンバーが使った武器が爆弾なら、そこで一度戦闘は途切れたはずだ。戦闘が継続しているなら、銃声が聞こえてくるはずだから── 
  
 果南はそこまで考えて動いていた訳ではなかった。ただ、ダイヤに会いたいという気持ちだけが彼女を突き動かしていた。 
  
 「……!!」 
  
 捜索を続ける果南の動きが突然止まった。 
  
 視界が悪い事で鋭敏になった嗅覚が、不快な臭いを嗅ぎ取った。 
  
 微かに漂ってくるそれは、ここ数時間で何度も経験した─血の臭いだった。 
  
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