16:名無しNIPPER[sage saga]
2025/05/16(金) 20:59:41.28 ID:LYl+0qW60
もし、これが夢であれば。
現実に影響がないならば、その背中に手を伸ばすことも許されるのかもしれない。
これが現実だとしたら?
すでに引き返せない状況であるなら、今あるものを手放さないよう努めるべきだろう。
どちらでもするべきことは変わらない。
それならば、先ほどの態度は間違っていたのか?
逆に何かを取りこぼしてはいないだろうか。
今更都合のいいことを言っても、キサキはそっけないだろうか。つれなくても、きっと許してくれる。最後にはこちらを抱きしめながら甘いささやき声を耳元で、幸せだと言ってくれるのだろう。
キサキはまだ起きているのだろうか。
もしかしたらまだ期待して待っているのかもしれない。
空調の音だけが静かに響く。
キサキが小さく身じろぎした。その背中に、先生はためらいながらもゆっくりと手を伸ばし、彼女の髪をそっと撫でる。
「おやすみ、キサキ」
…どちらにしても、前後不覚の状態で判断することではないだろう。
先生が生徒に手を出すべきではない。
先生は静かに枕に頭を乗せ、背を向けて目を閉じた。
そのまま眠りに落ちようとしたとき、背中を掴む感触があった。
21Res/15.85 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20