11:名無しNIPPER
2025/07/31(木) 00:30:45.43 ID:DoK8Vme/0
「……ありすちゃん、欲しい人材やったなぁ」
「うじうじするなら今からでも追っかけていく!プロデューサーも男でしょ!」
「やからあれで押すのは無理やって。実際親御さんの気持ちも痛いほど分かるし、違約金の支払いものらりくらりかわされたままやし」
「えー」
空気が重くよどむ。それにしても、以前のイベントの出演料未払いの問題などどこから探ったんだろうか。ああ、こういう時にアドバイスしてくれる人がー
「……待てよ?」
「プロデューサー、どうしたの?」
「いや、何とか出来るかも知れん。色々電話とかするから先帰っとき」
友紀も意図を察したらしい、頷くと荷物をまとめ出した。こういう所で空気を読めるのが彼女だ。もし橘さんが加入したらいい先輩になるだろう。
カタカタと検索をかける俺を横目に、彼女は何でもないことのように言った。俺がスカウトした時に信じた、彼女の人間として美しい点を詰め込んだような声だった。
「プロデューサー、いい目してるよ。頑張ってね」
ああ、やはり彼女もまた天性のアイドルなのだ。ならば。
飛ばすのは、俺の使命だ。
38Res/29.82 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20