6:名無しNIPPER
2025/07/31(木) 00:23:06.73 ID:DoK8Vme/0
「あの……頭を上げていただけますと……」
「いえ、我々の管理不行届ですから」
直角に頭を下げられた時はどうすればいいのだろうか。
2人の侵入者ー橘さんの両親は心底申し訳なさそうに頭を下げていた。どちらも仕立てのいいスーツに身を固めてはいるが、髪の毛は不釣り合いなほどに濡れている。忙しいというのは本当だったようだ。
一方橘さん本人は不貞腐れたような表情のまま動かない。気持ちは分かるしそれでとやかく言うつもりはない。ただー
「ありす。頭を下げなさい」
「嫌や。アイドルしたいもん」
「あんたアイドルやれるわけないやん!才能ないくせに!」
「出来るし!おかんに何が分かんの!」
こうなるだろうな、とは思った。娘がアイドルになるという決断はそうそう認められるものじゃないだろう。彼女の場合は例外だが。あれを見せられて才能がないなどと言うのなら、この国にいるアイドルとやらは一体なんになるのだ。
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