21:1[sage]
2010/06/01(火) 00:31:10.28 ID:f4IuYroo
「……そうだディーは!?」
思い当たるが早いか、ダルクは自分の使い魔の名を呼んだ。
炊事場からエリアが声だけ出してそれに答える。
「ディー? 君の使い魔?」
「そう、そうだ、どこに行ったんだ」
「あの、可愛いコウモリのモンスター?」
「そう! そうだ! 『可愛い』コウモリのモンスターだ!」
いない。エリアの家の中にはいない。
いつだって呼べばすぐに飛んでくるのに。
「あー……」
エリアは何となくバツが悪そうな調子で答えた。
「いま、休ませてる。ちょっとケガしちゃったんだ」
「な……なっ」
「ちょっとその、ギコ君とケンカしちゃって。あ、ギコ君っていうのは私の使い魔ね」
エリアは炊事場での作業をいったん中断させると、ティーカップを二つ抱えてベッドのそばに戻ってきた。
「はい、これ。身体があったまるから」
「そ、そんなことよりディーはどうなったんだ!」
「まぁ、落ち着いて。順番に話すから。いろいろ大変だったんだよ」
エリアはベッドの縁によいしょと腰掛けると、もう一つのカップを手に取り口を付けた。
それから「ほぅ」と一息つき――昨晩起きた出来事を淡々と語り始めた。
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