46:1[sage]
2010/06/10(木) 00:13:51.39 ID:WgrV/bQo
ダルクは葛藤する。
女の子に直に触れるというのは猛烈に抵抗がある。
ギコ君から毛布を剥ぎとって、それを掛けるだけにしておこうか。
いや上半身だけでは肝心カナメの下半身まで完全にカバーできないだろう。
余計なことはせずに帰ろうか。「それが無難だそうしよう」と一瞬思う。
が、よくよく考え直してみると、ベッドを奪って恩人に風邪を引かせて、自分は勝手に帰るという構図も後味が悪い。
ベッドに運ぶって、いくらなんでも起こしてしまうんじゃないか。
そう、それが一番心配だった。
すでに眠っている相手にまどろみの霊術を施しても意味がない。
その時、不意に鼻元にむず痒さを感じた。
ダルクはたまらず「クチッ」と上着で口元を抑える。
「……いけないよな」
なかなかのタイミングでのくしゃみ。
果たしてそれが寒さからくるものだったかは定かではないが、ダルクを決心させるには十分だった。
「さっさと終わらそう」
何も気にしないように、何も意識しないように。
ダルクは静かにエリアの上体を起こす。
大丈夫大丈夫。起きる様子は全くない。
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