過去ログ - 【駒鳥の】ローゼンメイデンが普通の女の子だったら【帰り道】
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32:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
2010/10/09(土) 12:39:15.23 ID:vQzt6720
記憶の中では小さな子供だった人物が、いきなり高校生になって目の前に立つという不思議な感覚。
私が二の句を継げずにいると、薔薇水晶は小走りで私に近づいてきた。

「……ひさしぶり……」

本当に久しぶりだった。
彼女が父親の仕事の都合で引っ越してしまったのが、私がまだ小学生だった頃。
それでも、それまでの記憶は、時の流れに介入されず鮮明に思い出せた。

特に……お父様が事故で亡くなってからの、一年数ヶ月の記憶は。

お父様の葬儀を執り行い、そして、施設に引き取られた私を誰より気にかけてくれたのが、彼女の父親だった。


  〜※〜※〜※〜


数年ぶりの再会を果たした友人二人が並んで歩く。
私と薔薇水晶は背たけが同じくらいだったので、スーパーの袋を片側ずつ持っても、バランスがちょうど良かった。

彼女との思い出は、どうしてもお父様が無くなった前後の事が中心になる。
それでも、久しぶりの再会の驚きからか、私は陰鬱な気分に陥る事は無かった。
あるいはそれは、最も悲しかった時を支えてくれた彼女が、今こうして隣に居るからなのかもしれない。

薔薇水晶は決して饒舌なタイプではなかったが、それでも私達はこの数年の間を埋めるように互いの話をした。

私の今の生活。
お父様が残してくださった遺産は施設に管理してもらっている事。
そこからの月々の入金で、高校からは一人暮らしをしている事。
あの日から今に至るまでの日々。


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