100:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2010/10/14(木) 05:32:09.70 ID:HDI5lWwo
佐天涙子は人間とは思えない程の速さで、駆けていた
マップ上では次の角を曲がれば、5個目の隔壁を爆破しようとしている連中の丁度後ろへ出ることが出来る
侵入者側からは通路の壁にしか見えない場所を蹴り破り、長い廊下へ侵入と同時に侵入者が居るであろう第5隔壁側へ銃弾を掃射した
だが、そこに居たのは3人のうちの一人だった。それでも、躊躇しない。それが彼女の最大の武器だ
必死な彼女の脳内には、当然の考えがよぎる
今一人しか居ないのが偶然ではないのならば、そして目の前のその一人が明らかに動揺を示さずにこちらに狙いを付けているならば
つまり、この奇襲を想定してあらかじめ対策をしていたならば
フェイスガード内のモニタリングには、今も変わらず3つの光点。現実と異なる
ここで自分の間違いに気がつく。この光点の受信信号は、敵の電子機器だ
ここでは電子機器はまず正常な働きをしない。そんなことを一番よくわかっているのは敵の方だろう
そして、ここにはカメラなどあからさまな警備装置はない。殺風景なのですぐに見つかってしまうし、施設防衛のための妨害電波等のの対象となってしまうためだ
学園都市の部隊という先入観から、佐天は当然電子制御の武器を持っているハズということに疑問を持たなかった
つまり、コレは敵の罠なのだ。同時に一直線上での一方的な掃射によって潜入者全員が行動不能となるのを防ぐ防御手段でもある
突入した佐天と目が合ったのは、山手だった
躊躇せずに撃った弾丸は、男の体に直撃する
だが、山手の方もほぼ同タイミングで引き金を引いていた
佐天を山手と挟むような位置に立っていた仲間からの射撃と、山手自身の銃弾が佐天へ
痛みがアドレナリンによってかき消される
隔壁側に一人しか居ないと分かった時点で、元来た場所へ身を引っ込めることを考えていた。ほんの一秒と言えないぐらいでフル オート射撃を止めて、隠し通路へ身を引く
身を包んでいた戦闘服ごと体を貫かれたようだ
佐天(この威力、サブマシンガンじゃ、ないなアレ。当然か)
サブマシンガンというのは拳銃弾を主に使用する。故に、アーマーを貫通するには威力不十分になりがちだ。だが、それなりの防御力のある戦闘服にはぽっかりと穴が空いている
佐天(最低限、アタシが今使ってるのと同じ分の威力はあるね)
直撃した腹部と掠った左太ももから出る出血を確認する。裸の上から来た戦闘服は、徐々に穴を塞ぎつつあった。さらに下の皮膚の穴すらも覆っていく
佐天(へぇ、便利じゃん。お腹に弾、残ってるけど。これは仕方ないか)
手応えはあった。形式的には刺し違えたことになるが、恐らく隔壁の前に居た男にはそれ相当の被害を与えたはずだ。初戦にしては上出来だろう
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