39:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2010/10/06(水) 08:35:48.23 ID:CMYhbyMo
佐天「なによ、コレ」
老人が見せると言った、本来の自分が、そこには有った
人体の不思議展というイベントが、学園都市内の総合小売店でも行われたことがあった
人体の断面や、皮だけを取り除いたもの、逆に表皮だけを吊っていたりしたもの、肺や心臓といった臓器などの標本が展示されていた
食後に行ったので、吐き気と戦ったのを覚えている
目の前に有ったのは、まさにそれだった
各臓器が別々に液体に浸かり、ペラペラとなった表皮も液体に浸かり、脳に至ってはかなり細かく分けられて保存されて大量のプラグが刺さっていた
薬によって感情が抑えられていなければ嘔吐や失神などしていたかもしれない
しかし、今の彼女には、それを直視して受け入れること以外は出来なかった
幻生「研究対象が手元になくて、どうして研究なんて出来ると思う。こうなっていることは予想できるだろう」
固まった女に言葉を投げた
佐天「コレは、生きてる……? 」
幻生「人間の意思というものが脳だけに有るなら、その脳が死滅していない限りは、生きているといえるか。だがね、残念ながら二度と意思表明は出来なくなってしまった」
佐天「それは、どういう意味ですか」
幻生「そのままだ。バラバラになった時点で、意思というものは消る。脳の各部が放つ情報の集積体なんだ、意思というもの は。だからこれを万能細胞なんかでくっつけても、君のオリジナルな意識は戻らない」
年齢のわりに、良く喋る
佐天「じゃあ、今の私の意識や意思は……?」
幻生「君が考えている通り、一度電子化されたものを移植したものだ。学習装置なんていう簡易な物に少し手を加えた程度だが」
ということは、前の体の時から既に自分というものはコピーだったということか。いざというときに体が動いたり、すくまなかったのはそういう事に対応できるように創られていたからか
異様に集中力が高まった女の脳内で思考が進んで行く
佐天(アタシの体を調べたいのなら、わざわざ今の自分を作って泳がせる理由は無いよ。こいつからその理由を聞き出す必要がある。でも)
佐天「そんなことを言われて、こんなものを見せられて、アタシがこういう事をしないとでも?」
先程着替えようとした時に抜き取って置いた、クローン衣服に標準装備されているナイフを構える
幻生「!?止めろ!!私を殺しても意味は無い!!………………とでも言えば満足かな」
言葉を聞いてからだが動く
決して快いとは思えない笑みを浮かべる老人の胸にナイフが、刺さった
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