971:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/06(日) 06:12:12.70 ID:vvOyZR7QP
「分からないな。外が騒がしかったから、僕は部屋から出るに出られなかった。すると急に床と壁が弾け飛んだんだよ」
「OK。早い話、何が起きたか分からないって訳ね。おし、処置は終わった。ちょっと待ってくれるか。あんたが行くべき避難場所を探す。この様子だとここは何時まで持つか分からんからな」
言って、兵士は男から少し離れ、首に引っ掛けた情報を表示してくれるゴーグルを付け、地図を表示した
今度は地図情報自体が少し、おかしくなっている
チッと舌打ちを兵士がする一方で、助けられた男は建物の外へ恐る恐る首を出した
近くには怖いほど誰も居ない。だが辺りを包む煙や臭い、そして音が、ここがいつものニューヨークでないことを分からせる
「……とうとう、このアメリカも終わり、ってことかなぁ」
「かもしれねえ。だがよ、一部じゃ天使だとか言われてるような奴に殺されるならともかく、同じ人間に終わらせられるというのは気に食わないだろ?……shit!?」
ゴーグルの内側に表示される地図を見て、この男を避難させることが出来そうな場所を兵士は探していた
その時、何か頭脳の中を電気が奔ったような痛みが駆け抜けたのだ
「どうしたんだい、……って!?」
助けられた太った男が、兵士の声に反応して顔を建物の中に引っ込め、その方向を見ると
兵士の後ろに黒いローブを着た何者かが立っており、兵士の首にナイフのようなものを指していた
「アあガッガガガガガッ。アバババァッガアグァ!? ウググゥゥ………」
兵士は体をびくびくと痙攣させ、そしてそのままドサッと倒れ込んだ
兵士の後ろに立っていた男を良く見ると、ローブの外に十字架を吊るしているのが分かった
「な、なんだお前……!? その格好、Pastor(牧師)か?!」(牧師は新教の聖職者、神父は正教の聖職者の呼び方)
太った男は声を荒げる
その人間は男の方を見た。表情は歪んでいる
「貴様のような、神の教えを忘れ、自らを律せず欲望のままに暴飲暴食をしてきたような輩に、新教徒の糞どもと一緒にされるのは心外だ。餌の役割はもう終わりだぞ、ブタ野郎」
気が付くと、太った男の体を先端に槍の様に尖った刃の付いた杖が、貫いていた
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