984:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/07(月) 06:12:22.94 ID:jx+LUubQP
「まさか駆動鎧をそのまま防衛に使うつもりなのですか!?」「駆動鎧の制限に関する計算式など、私に分かるわけがないだろう!! そのままマニュアル通りの全快でいい!!」
「それでは敵に対して過剰ではないでしょうか?! 所詮は魔術師、人間相手なんですよ!」「だったらお前が人間用の制限設定を行うんだな!! 技術屋がいない以上、どうせ出来やしない!」
ニューヨークにある半壊したビル群の一室での会話
急襲によって拠点を失った残存アメリカ軍は、他の拠点へ移るという判断をしなかった
未だ爆撃機は上空を舞っている。他の拠点だってその的であるだろう
ならば、市民に溶け込みながらでも逃げるしかない。とにかく、司令塔だけはどうあっても生き残らなければならなかった
その中で、武力を背景に強引に従わさせられていた米軍側の魔術師たちは逃げ出した。嫌々従わされていた人間が、どうしてこんなところで自らの命を賭して働いてくれるだろうか
だが、アメリカ軍にはまだ、対天使格用の駆動鎧という切り札が有るのだ
それを使えば、何処の所属の魔術師かはまだ断定できない状況で、その上どれだけの規模でどういう攻撃手段を持っているのかも分からなくとも、確かにニューヨークを現在襲っている集団へ反撃できるだろう
だがそれは、ニューヨーク都市圏全てを焼き払う事が可能な敵である"終末への導き手"に合わせて、その水準には達せないにしても、出来る限り対抗できるような性能を持たせてあるのだ
彼らが今まで相手をしてきた、ローマ正教等と比較すると小規模な魔術師集団と同じ程度なら、未元物質と言う高度なエネルギーの塊を動力源とすることで米仏海戦の時に使用された同型駆動鎧の比ではないほどの馬鹿げた力を持った駆動鎧であるので、相手にならないハズだ
馬鹿げた威力を使えば、導かれるのは馬鹿げた被害でもある
いくら壊れようと害の無い敵の拠点であるならば、そもそも壊れるものの無い上空ならばまだしも、ここは最重要都市のニューヨークである
市民も含めた、この場所全てが彼らの防衛対象だ。本当にそんな所でそんな物を何の制限も無しに使っていいものか
「サー、ヘンドリック!! 先程から、レーダーにテレズマ反応が見受けられます!!」
視線をぶつけ合う最高指揮官の中佐とその部下である中尉の横で、混沌な情報が飛び交う情報端末を叩いていた士官が割って入った
「干渉の可能性は?!」「否定できません!!」
言葉少なに即答即断。本来は通信兵などではなく、銃を持って戦う突撃兵の彼では、それが出せる最低限の意見だった
それを聞き、40代の中佐は部下の方を向き直す
「中尉、コレでも貴様の言う様に、駆動鎧のスペックを下げるかのような制限を加えようという判断を下せるか?!」
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