599:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga ]
2011/02/23(水) 17:16:59.87 ID:dusS23yA0
結局、ギガノス軍の作戦は大成功に終わっていた。
ほんの五分にも満たない戦闘時間だが、身体が感じる疲労は工場のライン作業のフルタイムにも匹敵する。
ハルヒはシートにもたれかかって深く息を吐いた。手が震えている。初陣以来だった。
ハルヒ「……各機、損傷は?」
キョン「長門が軽微だが攻撃を受けた。他はメタルアーマーが二機撃墜された」
古泉「代わりに、陸上部隊が将校を捕らえました」
ハルヒ「そう、少しは交渉に使えるかしらね。有希、大丈夫?」
長門「へいき」
無機質な声に安堵する。目の前が霞んで見える。戻ったらさすがに休んだほうがいいかなとハルヒが考えたとき――
長門「高速接近――攻撃――二秒――ッ!」
ギュボォッ! ハルヒの左端をエネルギー光が編隊を貫いた。そして――
キョン「なっ、長門ぉーっ!」
手足の焼け爛れたレビ・ゲルフが暴発する飛行用フォルグ・ユニットに攫われて連邦軍領域に墜落していく。
白煙に混じるオレンジ色の光りはエンジンの火が粉塵に干渉しているものだ。
ハルヒ「ゆ、有希……?」
有希が、落とされた? あの有希が? 無表情で、必要なこと以外は全然喋らないけど、本当は心配性でいつもみんなの身を案じて、みんながちゃんと帰ってこれるように周囲に目を配っている有希が――……
ハルヒ「私が……せいで……?」
「離せ、古泉!」「いけません! あなたまで行っては――!」通信の声が遠く聞こえる。ぼやける視界は徐々に暗闇に閉ざされている。
ハルヒ「ごめんね……有希……」
計器が滲んで見え、ハルヒは意識を手放した。
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