645:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga ]
2011/02/27(日) 17:41:45.68 ID:xzchfqAl0
回線が拾ったのは、夏の強い日差しのような明るい声だが、ドラグナーの前に割り込んできたのは黒い影だった。
朝倉「なに!?」
ガキィッ! ゲシュペンストが横からゲイザムにぶつかった!
立夏「ニュートロンビーム!」
横殴りを喰らってバランスを崩したゲイザムにゲシュペンストが光り、中性子ビームがその脇を掠め、給弾ベルトが切れて荒野に落ちていった。
朝倉「ふーん」
さしたる感想も持たずに、朝倉は青竜刀を肩に乗せた。
すぐに攻撃を再開しなかったのは、さらに三機が迫っていたからだ。
立夏「サァ! ここまでだよ! 五対一じゃかないっこないんだから!」
朝倉「そうかしら、おチビさん」
立夏「プンプーンッ! 立夏はチビッコじゃないモン!」
ヒカル「立夏! ふざけている場合じゃないぞ!」
ヒカルのゲシュペンストが立夏の隣につく。後方にドラグナー2型と3型が支援の配置についている。
ヒカル「さぁ、ここから退いてはくれないか。腕に自信があるといっても、この数を一機で相手にはできないだろう」
朝倉「そうね、私も五機はちょっと大変ね」
あっさりとした言い方にヒカルは少し拍子抜けしたが、無意味な戦闘が回避できるなら、それは望ましいことだ。
だが、次に朝倉が口にしたのは、死神の言葉だった。
朝倉「でも、役立たずが一人いる状態じゃ、それもどうかしらね」
ヒカル「なに?」
朝倉「そこのD−1のパイロットに聞いてみたらどう?」
機動兵器に乗ってなどいなければ、いち学校の優等生にしか思えないような声に先ほどから沈黙しているドラグナー1型に接触して回線を開いた。
シノ「…………」
ヒカル「天草先輩? どうかしましたか?」
シノ「ぅ……ぁ……」
ヒカル「天草先輩!? 天草先輩!」
いくら呼びかけてもシノは応えなかった。微かに揺らしてみても、反応はなかった。
朝倉「いくら呼んでも無駄よ。その子は今、砕けちゃってるから」
ヒカル「――ッ!?」
立夏「ヒカルオネーチャンッ!?」
いつの間に移動したのか、ゲイザムがヒカルのゲシュペンストの肩に手をかけて寄り添っていた。
怖気に急発進させたゲシュペンストに弾かれたドラグナー1型がバーニアの制御を失い、落下する。
立夏「あぁっ! シノオネーチャンが!」
ガシッ! ゲシュペンストの手がドラグナーの手を取る。
朝倉「ダメよ。乱暴にしちゃあ」
立夏「ヒッ! リッカにもキタ!?」
冷たい手で背中をなぞられるような気色悪さに立夏もまたシノの手を落とすところだったが――
ヒカル「立夏に、手を出すなぁーっ!」
ガガッ! 姿勢を取り直したヒカルがジェットマグナムで突撃する! しかし、すんでのところでゲイザムはひらりと避けた。
朝倉「あら、素敵ね。熱い気持ち、笑えるわ」
ゲイザムの青竜刀が振り下ろされる。それをかろうじて避けながら、ヒカルもプラズマカッターで突く。
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