646:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga ]
2011/02/27(日) 17:42:12.87 ID:xzchfqAl0
両機が競り合って上昇していく。その下で立夏はサブモニターに映ったコクピットで沈黙しているパイロットに呼びかけた。
立夏「シノオネーチャン! オネーチャンってば!」
シノ「ぅぅ……」
揺らしてもさすってもシノは反応しない。
立夏「むむむ〜っ……!」
小学生を卒業したばかりの立夏が痺れを切らすのは早かった。
立夏「シノオネェーーーーーーチャンッてばぁーーーーーーーーーーーっ!!!!!!」
シノ「うわっ!?」
バイザーの中のスピーカーが音量を調節するが、立夏の大音声はそのラインを振り切って音割れしてしまった。
その衝撃でシノがびっくりして目覚めた。
立夏「シノおねーちゃん、起きた!?」
シノ「り、立夏ちゃんか……鼓膜がやぶけるかと思った……」
立夏「シノおねーちゃん、ダイジョブ?」
シノ「あ、あぁ……っ!?」
自分が何をしているのか思い出したシノの顔が真っ赤に染まった。
両足をもじもじさせ始めたシノに立夏がかくんと首をかしげた。
立夏「おねーちゃん、どうしたの?」
シノ「その……も、漏らしてしまったみたいだ……」
上半身の妙な解放感とぐっしょりと濡れた下半身の生温かさにシノはもう操縦するどころではなくなっていた。
機動兵器のパイロットはノーマルスーツを着用する。シートの内部には排泄用のタンクがあり、パイロットはそこに用を足せばいいのだが、ノーマルスーツの排泄プラグをシートのプラグと繋げて始めてタンクに通るホールが開くのだ。
今回のように、突発的なことになってしまうと、全てノーマルスーツ内に残ってしまう。プラグを繋げばあらかた落とすことは出来るが、スーツ内に残る温もりは最悪といってもいいものだ。
シノ「こ、こんなところでス××ロプレイだなんて……」
シノが呟いた言葉の意味は小学生を卒業したばかりの立夏にはわからなかったが、シノが漏らしてしまったのは自分のせいじゃないかと思って、慌てた。
立夏「もも、もしかして、立夏のせい?」
シノ「い、いや、立夏ちゃんのせいじゃないよ……それより、私はいいからヒカル君を助けに行ってやってくれ」
立夏「わ、わかったヨ、おねーちゃん!」
ゲシュペンストの接触が解け、ドラグナーと外界を繋ぐものがなくなったとき、シノの肩が大きく跳ねた。
シノ「ぅぐっ……! あぁぁ……!!」
全身を駆け巡る寒気は下半身を包む残滓の影響だけではない。
ガチガチと歯が鳴る。脳裏に焼きついた青竜刀の映像が何度も襲い掛かってくる。
出すものを出したはずの尿道がまたひくついた。震えは治まらず、計器の残像がはっきり目に映る。
シノ「はは、はっははは……」
無理やりに笑みを浮かべてシノは恐怖を遠ざけようとした。
誰かが接触して回線を開けば、サブモニタには顔面神経痛のような醜い顔つきの少女が映ったことだろう。
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