706:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga ]
2011/03/08(火) 18:12:01.64 ID:odrAhK6G0
意味深な台詞に夕映が訝しがるが、アリーヌは手を振るだけで応えず、ガンタンクと砂嵐に隠されて見えなくなった。
ハルナ「ふぅん、アレが連邦が量産するモビルスーツって訳ねぇ」
のどか「でもー、ガンダムとはぜんぜん違うねー……」
ハルナ「ま、試作機がハデで量産機が地味ってのはよくあることよね」
のどか「そういう問題じゃあ、ないと思うんだけどー……」
夕映「……それより二人とも、あのモビルスーツが格納されるのは私たちの倉庫ですよ」
のどか「えぇっ!?」
ハルナ「ナヌぅ!?」
夕映「急いで入れないと私たちのスペースがなくなるですよ」
ゲットマシンは一台でモビルスーツ並みの大きさがある。
プレハブみたいな仮設倉庫でガンタンクとゲットマシンを六機も入れるとなると、格納前から入念にスペース計算をしなくてはならない 。
この灼熱の砂嵐に置いていては機体の溝や関節に砂が詰まり、熱が溜まって動作不良を起こす可能性が高いのだ。
ハルナ「ヤバイヤバイ! さっさと入れなきゃ!」
のどか「あぅぅ〜」
夕映「私が先に行って話してくるですから、二人はゲットマシンを頼むです」
ハルナ「はいよ!」
息を切らして走って夕映は大きな声でアリーヌを呼んだ。
夕映「ま、待ってください!」
アリーヌ「あん? なんだい?」
夕映「その、ここには私たちの機体も入りますので……少し待っていただけないでしょうか?」
とはいえ、所属が違う部隊がかち合ってしまうと、衝突は避けられない。
こういった場合は行動が速いほうが絶対的な優先権を持つことになる。
だが、アリーヌは少し考えた後に驚くようなことを言う。
アリーヌ「みんな! アタシらは外だ! この嬢ちゃんたちにハコは空けてやんな!」
ドロバ「了解!」
夕映「えっ!? い、いえ、そこまでしていただかなくとも……」
アリーヌ「いいのさ、アタシたちのは布被せときゃどうにでもなる」
夕映「それなら、せめて寝る場所ぐらいは……」
アリーヌ「今日は徹夜で作業だよ。そしてすぐに出る」
夕映「で、ですが……」
アリーヌ「アタシたちは、こういうのには慣れてんのさ。アンタたちとは違ってね」
そう言って笑うアリーヌは兵士とは思えない綺麗な並びの白い歯を見せた。
だが、夕映にはまるで何かを諦めた女の笑顔に見えた。
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