782:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)[saga]
2011/03/31(木) 18:04:40.44 ID:Ew4Uc/i40
フライヤーフィンはなのはの単独飛行ならば、戦闘機にも迫る速度を出すことも出来る。
なのは「ここだね」
黒煙があがるのは工場だろうか、既に何人かの連邦兵が集って消火作業を始め――ること時間は永遠に奪われていた。
なのは「そ、そんな……」
レイジングハートが咄嗟になのはの視覚域にフィルタリングをしなければ、十歳の少女は現実の光景に耐えられなかっただろう。
連邦兵たちは皆、一刀の下に赤黒い切り口を見せて倒れていた。ほとんど即死だろう。
レイジングハート「Time sift protection.」
凄惨な光景を主に見せまいと、レイジングハートは独自思考で空間を切り取った。
倒れた兵士の姿が見えなくなった時、ゆらりと炎に立つ影があった。
なのは「シャナちゃん!」
シャナ「またお前か!」
赤い彗星フレイムヘイズのシャナは桜色の光りに包まれた高町なのはに猛然と斬りかかった。
レイジングハート「protection.」
バキンッ! プログラムされていた自動防衛システムがシャナの一撃を逸らし、なのはを間合いの外へ離脱させる。
なのは「ディバイン・シューター!」
三つの光球が警戒線を引くようにシャナの周囲を飛ぶ。
シャナの動きが止まるのを見て、なのはは問いかけた。
なのは「シャナちゃんが、こんなことをしたの……?」
シャナ「そうだとしたら、何だっていうのよ?」
なのは「どうしてこんなことをするの!? 戦争なんて……」
シャナ「この戦争は、お前たち連邦が引き起こしたものだ!」
問い掛けにシャナは糾弾で返した。
シャナ「連邦の蛆虫どもはコロニー政策を人口調整の一つとしてしか考えていない! それだけならまだいい! だが、地球に住む人間こそが優良種だと勘違いし、コロニーに住む人間を家畜のようにコントロールしている! お前も同じコロニーの市民なら、知らないはずはないだろう!」
突き付けられた切っ先を見据えるには、なのははまだ幼すぎる。
なのは「それは……確かに連邦はコロニーのことをコントロールしているかもしれないけど、それだからって……」
シャナ「そうか……お前はサイド7の人間だったわね……準特権階級の出身にはわからないことね……地球から最も遠いサイド3がどんなところだったのかを……!」
なのは「ど、どういうことなの!?」
シャナ「所詮、お前も連邦の犬ということよ! 生まれた時から檻の中で飼い馴らされて自分が家畜だって事にも気付いていないのよ!」
ズァァッ! 光球を切り払ってシャナは滑るようになのはの懐へ潜り込み、必殺の刃を振るった。
なのは「やめて、シャナちゃん!」
危ういところで回避して、なのはは魔法を組み立てていく。
襲い掛かる斬撃を何重にも重ねた防御障壁で受け止める。
飛び散る桜色の魔力は破られるたびに小さい障壁を生み出しているからだ。
なのは「戦争なんて方法は間違っているから! 地球まで来て、どうして話し合おうとしないの!?」
シャナ「その言葉、そっくりそのままレビルに言ってやれ!」
じりじりと刀を押し込んでいくシャナの背中がぴり、と痺れた。
なのはの背中から出て大きく迂回してきたディバイン・シューターが既にシャナ目がけて飛来していた。
シャナ「ちぃっ!」
ここで引いたら追撃を喰らう。怪我を承知で光球を受ける覚悟をしたシャナの背後に、ビーム光が走った。
なのは「!」
シャナ「アカハナね、良いタイミングだわ!」
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