527:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/28(金) 19:56:33.01 ID:YRz+mxHAO
姫子は加藤の態度が先の変態発言を抜きにしても気に食わなかった。
力を持ちながらにして努力を怠る者、真面目に取り組まない人間こそが彼女が嫌悪する対象だからだ。
初対面で純の事を嫌いだと言い切ったのもその根本からきている。
加藤「ふぅむ……。あまり強がらない方が自分の為だと思うんですがねぇ。その方が孕んだ後の自己嫌悪も少なくて済みますし」
528:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/28(金) 19:57:05.51 ID:YRz+mxHAO
姫子「この──っ!」
軸足を捻り、腰の回転を乗せたしなやかかつ強靱なる上段回し蹴りを放つ。
それは加藤の首筋を打ち、一撃の元に沈める威力を持っていた、だが。
529:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/28(金) 19:57:36.40 ID:YRz+mxHAO
加藤は口を半開きにして身体を震わせた。
その身悶えは排尿の直後に来るそれとよく似ていた。
姫子「ひっ──!?」
530:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/28(金) 19:58:06.96 ID:YRz+mxHAO
姫子「あの人……。気持ち悪過ぎだよ……」
口元を抑え、込み上げる吐き気を堪える。
直接脳内に最悪のイメージを浮かばせる加藤の発言、言動は目には見え難いものの、確実に姫子の精神を摩耗させてゆく。
531:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/28(金) 19:58:36.33 ID:YRz+mxHAO
先の打ち合いで観測した限りでも加藤は要所要所で闘気をコントロールしている節があった。
回避、防御に当てられている闘気は勿論攻めに転じる事も出来る。
そうなれば三花程度の実力者では歯が立たないだろう。
姫子「…………」
532:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/28(金) 19:59:06.29 ID:YRz+mxHAO
姫子「…………」
そんな発想は最初から無かった。
無事生きて帰れる補償は無いと知りながらここまで来たのだ。逃げ出してしまえばそれこそ本末転倒な話だ。
533:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/28(金) 19:59:36.39 ID:YRz+mxHAO
加藤「私は貴女の全てを知っている」
ぞわりと姫子の背筋に虫が這った。
傍らで棒立ちになっていた三花は勿論の事、背後に回り込まれていた姫子でさえも隙を突かれたと気付いたのは、なまめかしい手つきで胸を揉みしだかれてからだった。
534:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/28(金) 20:00:21.52 ID:YRz+mxHAO
加藤「……興ざめですねぇ。『何も考えていない』女は嫌いなんですよ──!」
深々と腕に食い込んだ爪は肉の繊維の一つ一つをずたずたに引き裂く。
加藤「この……! 離せ! 離せっ! 股座にゴキブリを詰めてやろうか!」
535:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/28(金) 20:00:50.43 ID:YRz+mxHAO
熟れたトマトを潰すかのように三花の手首から先が爆ぜた。
赤い花火が鳴り終えると同時に三花に襲いかかるのは気が遠くなるような痛み。
右手から伝わる痛みに全身が痺れを以て応える地獄のような苦しみの中で、三花は悲鳴を上げるでもなく仲間を鼓舞した。
三花「立って、姫子!!」
536:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/28(金) 20:01:21.19 ID:YRz+mxHAO
『貴女の全てを知っている』
先のこの囁きが姫子の胸に纏わりついて離れなかった。
それだけ聞けばただの戯言染みたはったりにしか聞こえない言葉なのだが、姫子にはこの言葉が真実であるという確信があった。
姫子「やだ……。見ないで……!」
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