過去ログ - 唯「ボディがお留守だよ!」
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681:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/14(月) 16:01:47.52 ID:wY4Ppo0AO
 この世界が始まって以来これ程の力を宿す者が一同に会する事はほぼ無かっただろう。
 人知れず世界に在り続けた一対の龍。そしてその龍の力を掌握せんとする者。
決して滅びる事の無い三人がぶつかり合った時に何が起こるのか、それは三人にも解らない。

憂「どうして言う事聞いてくれないの? お姉ちゃん私の事嫌いになっちゃったの?」
以下略



682:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/14(月) 16:02:17.61 ID:wY4Ppo0AO
 彼女は鼻を鳴らして床を蹴った。
途端に律達の足元に光が浮かび上がり、床が爆ぜる。

律「なっ──!?」

以下略



683:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/14(月) 16:02:59.91 ID:wY4Ppo0AO
憂「私謝るよ。きっとお姉ちゃんは私がいけない子だから怒ってくれてるんだよね? ごめんね、お姉ちゃんも辛いよね。本心じゃないのに仕方なく怒ってるのは私には分かるから、だから私はそれでお姉ちゃんの事嫌いになったりなんかしないよ。だって私はちゃんとごめんなさいが言える子だもん。早くその女を殺して家に帰ろう? お姉ちゃんの為にお姉ちゃんの好物いっぱい作るから。あっ、勿論今日はアイスも好きなだけ食べて良いよ。お腹冷やしてお腹壊さないように私がずーっと温めてあげるから──」

唯「気持ち悪い、黙れ」

 抱いたいちごの胸に爪を立て、彼女は憂を一蹴した。


684:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/14(月) 16:03:34.35 ID:wY4Ppo0AO
唯「唯はお前の所有物じゃない。笑ったり、泣いたりもするし怒ったりもする、れっきとした人間だ」

憂「知ってるよ。お姉ちゃんの泣き顔も怒った顔も一番知ってるのは私だもん。お姉ちゃんの事はなんでも──」

唯「知ってるなら何で分かんねーんだよ。怒ったり泣いたり出来る人間は人間の思い通りになんかならねー事をさ」
以下略



685:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/14(月) 16:04:03.79 ID:wY4Ppo0AO
 ぎりぎりと歯噛みすると、いちごは淡々と口を開いた。

いちご「私は生まれたと同時に人生の攻略本を渡されたの。先が見えたイベント、気が遠くなるような単純な作業の繰り返し。簡単過ぎて退屈で……」

 語り始めは淡々としていたものの、声には怒気が含まれてゆく。
以下略



686:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/14(月) 16:04:33.06 ID:wY4Ppo0AO
唯「──違うだろっ!」

 彼女はいちごを強く抱き締めた。
全身の骨が砕け、内臓を押し潰すといちごは血の泡を吹く。

以下略



687:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/14(月) 16:05:00.16 ID:wY4Ppo0AO
唯「あ……」

 この時彼女は初めて動揺した。
どうにかしてやると約束した、その決意が揺らぐ。
 憂が右手を翳すとそこを中心に幾何学模様の陣が広がった。
以下略



688:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/14(月) 16:05:27.42 ID:wY4Ppo0AO
 憂が展開した陣と真反対の模様が刻まれた陣が憂の手に重なるように拡がる。
 力と力は反発し合い、崩れてゆく。
大気すら震わせる力の奔流は白い光と共に緩やかな風となって鎮まった。

憂「つっ──!?」
以下略



689:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/14(月) 16:05:56.18 ID:wY4Ppo0AO
和「離れましょう。私達が居たら足を引っ張るだけよ」

 皆が無言で頷く中で梓だけが肩を震わせて押し黙っていた。

律「梓!」
以下略



690:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/14(月) 16:06:25.79 ID:wY4Ppo0AO
律「……私達の覚悟って、何だったんだろうな」

 律は拳を作って掌に爪を食い込ませた。
細い指を伝う血はここに居る全員の無念を具現化するように流れ出て、床に落ちた。

以下略



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