691:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/14(月) 16:06:55.21 ID:wY4Ppo0AO
紬「唯ちゃんって人懐っこいでしょ。だから独りで寂しい思いしてるときっとわんわん泣いちゃうと思うの。そして次に……」
和「寂しさを紛らわせる何かを見つけようとする。まぁそんなところかしら」
背負った梓の太股の辺りをしっかり支えつつ紬は頷いた。
692:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/14(月) 16:07:31.96 ID:wY4Ppo0AO
唯「くそ、いってぇ……」
弾け飛んだ右腕は大方修復されてはいるもののまだ完全ではない。
無傷の右腕の内部では肉が修復されて蠢く。
それには激しい痛みが伴った。
693:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/14(月) 16:08:03.96 ID:wY4Ppo0AO
憂はいちごを殺すと宣言しておきながら自分で姉を傷付けて狼狽している。
名前の分からない彼女はいちごに明確な敵意をぶつけて敵対しておきながら決定打を与えようとはしない。
いちご「やれる……」
694:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/14(月) 16:08:34.10 ID:wY4Ppo0AO
服の襟に手を添え、小型のチップの様なものを取り外す。
この物体は先程彼女に電撃を浴びせられた際に破壊されていたのだが、その痕は無かった。
チップの中央の小さな突起を押す。
それに遅れていちごの口角は醜く歪んだ。
695:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/14(月) 16:09:04.40 ID:wY4Ppo0AO
壁が内側から発光する。
それから数秒のタイムラグがあっただろうか。
空を貫く塔が崩れ、宙を舞う瓦礫は地に着く前に雲散し、消え失せた。
視界を遮る粉塵の奥には二つの影。
あれだけの衝撃を受けていながら立ち尽くしている。
696:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/14(月) 16:09:49.02 ID:wY4Ppo0AO
唯「……そんな感覚、何千年と味わい尽くしたさ」
いちご「私が聞きたいのはそんな下らない精神論の話じゃないの」
鼻で笑って彼女を一蹴するといちごは悠然と歩み寄ってゆく。
697:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/14(月) 16:10:19.06 ID:wY4Ppo0AO
唯「……分かってねーな」
彼女は修復途中だった腕を抑え、現在持ち得る最大の力を放出した。
しかし滅龍槍の効力は彼女の想像以上に及んでおり、僅かに発光する程度の紫電しか現れない。
698:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/14(月) 16:10:52.15 ID:wY4Ppo0AO
唯「少しは考えたみたいだが、それでも私には及ばないな」
不敵に口角を歪めると彼女は続けた。
唯「龍の力を抑制する光線、大体のところまで解析出来たのは褒めてやる。だけど私のは一筋縄ではいかねーんだよ」
699:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/14(月) 16:11:26.89 ID:wY4Ppo0AO
いちご「…………」
いちごは唇に指を添え、考え込むように彼女を見据える。
いちご「知ってる? 状況の優劣によって人に見えてくるものは変わるの」
700:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/14(月) 16:12:10.42 ID:wY4Ppo0AO
いちごは悪戯を隠す子供を見て呆れる母親のように、穏やかにほくそ笑んだ。
いちご「決定的なのは一言喋るのにあれだけ大仰な手振りをしてたあなたが今は直立不動な事」
唯「……マジかよ」
701:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/14(月) 16:12:45.08 ID:wY4Ppo0AO
唯「──っ!」
彼女は薙ぎ払われた腕を真っ向から受け止めた。
力の残滓を振り絞ってその全てを防御に回すも、彼女の身は大きくのけ反る。
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