804:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/10(木) 01:11:33.45 ID:/gE6O3zAO
梓「トップランカー辺りは大人しいんですね。気付きませんでした」
和「大人しい、というには少し語弊があるわね。これを見て」
キーボードを叩き、別の図を開いた。
805:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/10(木) 01:12:05.69 ID:/gE6O3zAO
和は湯飲みに注がれた渋い茶を飲み干し、深く溜め息を吐いた。
和「そういう風に出来てるのよ。誰に教えられるでもなくこの学校はそうやって回ってきたの」
傍から見れば気を休める暇も無いような下剋上の風潮。
806:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/10(木) 01:12:40.15 ID:/gE6O3zAO
梓「何だか、質の悪い詐欺に引っ掛かってた気分です……」
和「そこの二人も同じ事言ってたわね。分かってる側からしたら滑稽だったけど」
種明かしをする奇術師のような大仰な動作で掌を振り、ほくそ笑んだ。
807:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/10(木) 01:13:25.74 ID:/gE6O3zAO
梓「……群雄割拠、なんてレベルじゃないですね」
和「無法地帯ね。上位ランカーが下位の生徒を無差別に襲ってるのが目立つわ。元々トップランカーだった二人が絶対の彼方を越えたのが原因よ」
和はパソコンのディスプレイに向き直り、両手でタイピングした。
808:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/10(木) 01:13:58.44 ID:/gE6O3zAO
桜高生徒序列八位。『辻斬り』木村 文恵。
二つ結びにしてある赤茶けたセミロングの髪と花飾り、そして見る者を朗らかな気持ちにさせる温厚な微笑みがトレードマークの生徒だ。
澪が絶対の彼方を越えるまでは実質桜高の剣術使いのナンバーツーだった。
梓「噂だけは聞いてました。理由無く人を刺し、躊躇無く人を斬り……」
809:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/10(木) 01:14:31.62 ID:/gE6O3zAO
和「こっちも聞き覚えがあるんじゃない? 死神、高橋 風子よ」
梓「ええ、デスサイズ使いなんてこの学校にこの人しか居ないでしょうし……。でも確か生徒会とも繋がってませんでした?」
風子は和と行動を共にする事がちらほらあった。
810:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/10(木) 01:15:01.50 ID:/gE6O3zAO
和「さてと、説明はこれぐらいにして折り入って頼みがあるのよね」
眼鏡の縁を軽く指で持ち上げ、和は蛇のようなまなざしを梓に送った。
文字通り蛇に睨まれた蛙のように梓は畏縮する。
811:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/10(木) 01:15:35.94 ID:/gE6O3zAO
純「ぎにゃ──っ!?」
尻尾を踏まれた猫のような悲鳴が上がる。
時折梓は思う。この人は前世で純に親でも殺されたのだろうかと。
こんなやり取りもコミカルに見える事もあれば可哀相に思える事もある。
812:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/10(木) 01:16:14.13 ID:/gE6O3zAO
はあそうですか、と二つ返事をした後に梓は何の手柄も残せないまま今に至る。
梓「澪先輩はふらふら出回ってるし律先輩は学校に来ないし……」
なるべく普段通りに、何かが歪んでしまう前のまま振る舞っては見るものの何かが違う。
813:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/10(木) 01:16:42.90 ID:/gE6O3zAO
力を使い果たした彼女には虚勢を張る余裕も無い。
穏やかに聞こえる口調の中には弱々しさが入り交じっていた。
唯「そんな感情に縛られるのはもう止めてくれよ……。お姉ちゃんは復讐なんて望んでないからさ」
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