過去ログ - 唯「ボディがお留守だよ!」
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828:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/03/16(水) 19:33:31.52 ID:kmI1NNMAO
律「ゆいー、入るぞー?」

 夕日が差し込む病室に活発な声が響いた。
部屋の主は入ってきた律を見ると目を点にして肩を震わせる。

以下略



829:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/03/16(水) 19:34:23.87 ID:kmI1NNMAO
律「ゆいー、入るぞー?」

 夕日が差し込む病室に活発な声が響いた。
部屋の主は入ってきた律を見ると目を点にして肩を震わせる。

以下略



830:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/03/16(水) 19:35:07.11 ID:kmI1NNMAO
律「ちゃんと戻ってきてくれたんだな……。やっと実感が湧いてきたよ」

唯「えへへ……。お騒がせしました」

 律がベッドの横に置かれた椅子に腰掛け、唯の栗色の髪を撫でると彼女は子犬のように目を細めた。
以下略



831:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/03/16(水) 19:35:50.35 ID:kmI1NNMAO
律「ん、もしかして林檎嫌いだったか? でも前にムギが持ってきたアップルパイ食べてたよな?」

唯「嫌いじゃない、嫌いじゃないよ! 食べたら歯茎から血が出たりなんかしないよ!」

 慌ててフォローするも言っている事はちぐはぐだ。
以下略



832:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/03/16(水) 19:36:23.49 ID:kmI1NNMAO
唯「良いよ! 私林檎好きだからこれぐらい食べられるよ」

律「だから気ぃ遣わなくて良いって。ちょっくら行ってくるよ」

 律は呆れたような笑みを浮かべて立ち上がろうとした。
以下略



833:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/03/16(水) 19:37:02.64 ID:kmI1NNMAO
 一瞬にして静まり返った空気が自分の発言が生み出したものとは気付けない。
唯は不安そうに首を傾げるだけだった。

律「あのー……。つかぬ事をお聞きしますが平沢さんは現在お幾つでしたっけ?」

以下略



834:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/03/16(水) 19:37:35.93 ID:kmI1NNMAO
律「いきなり飛び掛かってくるこたねぇじゃん……」

唯「……りっちゃんの馬鹿」

 数分の一悶着の後、律は嘆息しつつ林檎を剥いていた。
以下略



835:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/03/16(水) 19:38:17.33 ID:kmI1NNMAO
唯「ん〜、おいひ〜」

 噛んだ瞬間に口内を満たす蜜の香りに唯は再び目を細める。
鼻孔を突き抜ける爽やかな風味からそこらのスーパーに陳列されているような安物では無い事は唯にも分かった。

以下略



836:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/03/16(水) 19:38:54.71 ID:kmI1NNMAO
律「そっか。退院しても身体には気をつけろよ?」

唯「そんなお別れの前みたいな事言わないでよ。学校も一週間後からはちゃんと行くし」

 林檎を囓りながら悠長に笑う唯を、律はどことなくばつが悪そうに見ていた。
以下略



837:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/03/16(水) 19:39:40.67 ID:kmI1NNMAO
律「あっ、別に転校するとかじゃないんだ。目処は立ってないけどそんなに長くは居ないからさ」

唯「……なーんだ。びっくりさせないでよ」

 一瞬だけ過ぎった別れのヴィジョンは否定され、唯はそっと胸を撫で下ろす。
以下略



838:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/03/16(水) 19:40:19.16 ID:kmI1NNMAO
律「取り敢えず誤魔化せたかな……」

 逃げ出すように後にした部屋を背に、律はそっと胸を撫で下ろした。
 要らぬ心配はかけたくない。
そんな思いやりから生み出されたのは優しい嘘だった。
以下略



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