過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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508:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/01/11(火) 23:58:55.57 ID:Pz6QQEtj0
そう、分かっている。
いつも番外個体のことを優先してくれて、些細なことでも気に掛けてくれて、下手くそなマフラーを使ってくれて。
悪態をついてばかりで家事も碌にできなくて、そんな番外個体と一緒に寝てくれるし、そんな番外個体の為に怒ってくれる。
509:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/01/12(水) 00:00:07.02 ID:lMTN03X50
「麦のんはさっき好きなのって言ったけどさ、好きって、なんだろうねぇ」
「落ち着いたと思ったらいきなり哲学? ……ん、シャケ美味しい」
510:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/01/12(水) 00:01:56.02 ID:lMTN03X50
一方通行は番外個体に惹かれていて、
番外個体は一方通行を必要としている。
511:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/01/12(水) 00:05:54.30 ID:lMTN03X50
雪は好きだけれど、寒いのは苦手だ。
湿り気を帯びた重たそうなぼたん雪が舞い降りる中、番外個体は改めて自分が寒さに弱いことを実感していた。
普段はマフラーと最近買った手袋で完全防寒しているものの、今日は飛び出してきたせいでコートを着ているだけだ。
512:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/01/12(水) 00:08:46.33 ID:lMTN03X50
「ミサカ……ワー、スト、」
513:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/01/12(水) 00:12:15.22 ID:lMTN03X50
辺りにいた人々がぎょっとして叫ぶ一方通行を見た。
名前とは言い難いような、どちらかと言えば識別の為のコードや記号に近いような単語。
そんな名前でも、嫌いなこの名前でも。
514:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/01/12(水) 00:17:29.05 ID:lMTN03X50
抱きつくというよりは飛びつくという方が適切だ。
駆けてくる番外個体を見て心臓を鳴らしていたのも束の間、一方通行は鈍重な痛みを感じながら強くそう思う。
515:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/01/12(水) 00:18:40.25 ID:lMTN03X50
ヒロインこと番外個体は、暫くの間ぐずぐずと彼の肩あたりに顔を埋めていた。
泣いているのか、怒っているのか、笑っているのか。
顔は見えないが、上着を着ていない一方通行の薄いシャツを介して左肩の辺りにじんわりと湿り気が伝わってきたことで、彼女が今どんな表情をしているかは分かった。
516:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/01/12(水) 00:21:09.96 ID:lMTN03X50
「……あーっと、……寒ィなァ」
何をして良いか分からなくて取り敢えず同意を求めてみるも、首を横に振ってNOのサイン。あ、そォですか……と食い下がる。
517:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/01/12(水) 00:23:04.15 ID:lMTN03X50
番外個体が好きだ。家族として、知人として、友人として、――女として。
けれど、その好意や善意に基づいて『らしくない』ことをしたって、結局は贖罪行為としかみなされず、偽善としか受け取って貰えないのか。
518:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/01/12(水) 00:24:33.61 ID:lMTN03X50
「え、」
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