過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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952: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/03/18(金) 14:16:36.10 ID:SMLw9DYPo

(ちくしょう、馬鹿じゃねェのか。自分で考えておいてこれかよ、笑えねェ……)


他の男に番外個体を奪われるなど、考えるのもおぞましい。
馬鹿で醜い独占欲や嫉妬だということは分かっていても、堪らなく不安になる。


己の気持ちや欲求、その全てを素直に呑み込み、番外個体の気持ちに応えることを決めた今だからこそ。
彼女無しの生活は一体どんなものに成り下がるのだろう、と。


そんな不安を振り切るように、彼女が零した唾液を舌で掬い上げた。
そしてそのまま、ベッドに押し倒す。


「ひゃあ!? ちょ、なぁっ!?」


それには虚を衝かれたのか、思考がうっとり鈍り気味だった番外個体も目を丸くした。
覆い被さるようにして一方通行が上に在るものだから、普通に正面、つまり天井を仰ぐだけでも彼とばっちり目が合ってしまうことになる。
先程まで口吻を合わせていたにも関わらず、番外個体は緊張に視線を逸らす。


「は、恥ずかしいんだけど……。この体勢とか、なんていうかもうね」

「『そォいう行為』を思い浮かべちまう時点でオマエの方がよっぽど恥ずかしいヤツだよ」

「べっ、別にそういうわけじゃ――ぁっ、」


一方通行の指摘を焦ったように否定した番外個体だったが、不意に感じた首筋への甘い刺激に身を跳ねさせた。
そしてそれは一度に留まらず、首筋、耳、鎖骨と口付けが落とされる。
すべすべした肌に印されていく赤い痕。


「ひうぅ、ちょ、あぁっ、ミサカそこら辺、だめなん、だってばぁ……!」


特に鎖骨となれば、心臓にも胸にも近いわけで。
鼓動が聞かれてしまわないかとか、その振動が伝わってしまわないかとか。更には、


「み、ミサカTシャツの下に何にも着てないし着けてもいないんだよう!」


見えてしまわないか、とか。

帰ってきてから家着にしているTシャツに着替えたせいで、窮屈なキャミソールやブラジャーといった類のものは疾うに洗濯機に投げ込まれていたのであった。



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