52:こーじろう侍[sage]
2010/12/01(水) 04:55:25.99 ID:DhwUcOA0
2012年8月
白い雪が深々と降り積もる聖なる夜。街に広場に立てられた、電飾や煌びやかな飾りに彩られたクリスマスツリーの周りには、数多くの恋人達が、寄り添いながらツリーを見上げていた。
そして、私に傍らにも、私を包み込むようにして寄り添ってくれている男の子がいた。
「澪姉、寒くない?」
その人は優しい声で私を気遣ってくれた。
「ううん、充分、温かいよ・・・いや、やっぱりちょっと寒いかな・・・」
そう言って私は、より強く密接に彼の腕をぎゅっと抱き締める。
身体よりも心が温かく、いや火照っていくのを感じる。
彼は、田井中 聡。私の、愛しい人・・・。
「ツリーきれいだな」
私は何となしに呟く。
「み、澪姉の方があのツリーよりもずっときれいだよ・・・」
彼は、ぎこちないながらも心を込めて言ってくれた。
「うれしい・・・」
「澪姉n・・」
「澪って言って」
「澪・・・」
彼は真剣な眼差しで私を見つめる。
「聡、さん・・・」
私は少し見上げる様に彼を見つめ、唇を少し窄(すぼ)めて、そっと目を瞑る。
「澪・・・好きだよ・・・」
呟くと同時に、瞳を閉じていても彼の顔が近付いていくのを感じる。そして、彼と私の唇がそっと重なっt――――
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