過去ログ - 打ち止め「あなたのYシャツ貸して欲しいな!ってミサカはミサカは…」一方「あァ?」
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13:【小ネタ】 部屋と第一話と一方通行[saga]
2010/11/27(土) 14:05:29.99 ID:cPRQijA0

いつもなら8時過ぎまで寝ている一方通行だが、
今朝に限っては能力開発の指導先の関係上普段より2時間も前の起床を求められていた。

寝ぼけ眼を擦りあげながら正装に着がえてリビングへと足を運べば
先に行くと昨夜話しておいたのに、同居人の少女は健気にも自分に併せて起床し
更には朝食の準備に取り掛かっているところだった。


「ミサカとミサカとYシャツを……ムフ、ムフフフフフフ」

―――――― 何ブツクサ言ってンですかァ?あのクソガキ。

「包容力に包まれたミサカ…………うへへへへへへ」


―――――― 何処で育て方を間違えたのだろう。
恐る恐るリビングへと顔を出せば、カッと瞳孔を見開いた眼でこちらを見上げ
「Yシャツはぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!?????」と叫び出した。
………………やはり俺のような人間に真っ当な子育てなど出来る筈なかったのか。


結局、その日の朝食は散々なものだった。
突然立ち上がって「あ``あ``あ``あ``あ``あ``あ``あ``あ``あ``あ``あ``!!!!!!!!!」
という奇声を発したかと思えば、
座り込んでまた「ミサカはミサカはミサミサミサミサ…………」とブツブツ言いだす。

複雑な年頃なのかもしれない。俺にも少し覚えがある。
なるべく触れないようにしながら「………、先に行くな」と玄関へ向かえば恨めしそうな眼で
「行ってらっしゃいとYシャツはYシャツは送りだしてみる」とワケの判らん返答を寄越してきた。
――――――――― 複雑な年頃なのだろう。そう思いたい。


午前の仕事を終えた一方通行は
午後からの超電磁砲との研究に関する意見交換のため一度帰宅し昼食をとることにした。
鞄から家のカギを取り出し、自宅の扉を開ける。

本来ならそこで品の良いインテリアに囲まれた玄関が彼を迎える筈なのだが、
今日はそこに謎の物体がポツリと一つ加わっていた。
可愛らしいカエルのアップリケがついた打ち止めの弁当袋だ。
今朝は様子がおかしかったし、ボーッとして忘れていったのかもしれない。


「いつまでも手のかかるガキだなァ、オマエは」


小さく笑みを浮かべると一方通行は開けた扉をまた引き返した。
右手に似合わぬ手提げを掲げ、少女が歩く通学路を今日だけは彼も闊歩してゆく。

                                             
                                            『部屋と第一話と一方通行』(完)


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