過去ログ - 美琴「あなた、病室間違えてない?」禁書「……、っ」
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2011/08/22(月) 01:05:01.09 ID:DuaI2gHio
美琴自身びっくりするぐらい、何でもない事の様に言葉が出た。
今までの障害、葛藤が馬鹿らしくなるぐらい簡単に。
「それで、アンタはどう、なの?」
「……俺は――俺はまだ、自分の気持ちが分かんねぇんだ。最初にお前の気持ちを盗み聞きで知っちまった時、どうしたらいいんだって思うだけで何にも考えられなかったんだ」
ほんと情けねぇよな、と上条は自嘲気味に笑う。
「正直言って、お前の気持ちはすげぇ嬉しいよ。でもいろんな事がありすぎて、まだ自分の気持ちに整理がつかねぇんだ。だから少し、時間をくれないか」
「……少しってどれぐらいよ」
「いや、それはその、とにかく少しは少しと言いますか……」
ごにょごにょと言葉尻を濁す上条を見て美琴はため息をつく。
さすがに有耶無耶にはされないとは思うが、こっちから尻を叩いてやら無いとずるずると引き延ばされてしまいそうだ。
「……三日、それだけ待ってあげる。それ以上は一分一秒でも待たない」
「三日、ですか……」
「文句あんの?」
ギロリと睨み付けて上条を黙らせる。
本音を言えば三日でも待つのは辛い
今だって段々と恥ずかしさやら不安やらが込み上げてきてるのだ、あんまり待たされ過ぎたら気が変になってしまう。
「それじゃ、待ってるから……」
それだけ言うと美琴は上条に背を向け逃げるように走り出した。
「お、おい――――! ――――!!」
平静を装っていたが、実は既に美琴はいっぱいいっぱいだった。
つまり『逃げるように』は間違いで、事実逃げ出していた。
後ろで上条が何事か叫んでいたが、そんな美琴の耳には届かなかった。
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