207:泥源氏 ◆88arEec0.g[sage]
2010/12/23(木) 02:41:18.53 ID:Cq2hHDco
「嫌というほどわかっているよ、第一位」
暗がりから、くぐもった声が答える。
聞こえたほうに顔を向けると、そこにはまるで人形のような、機械のような、
そんなヒトガタが直立していた。
体の線がよく見える服を着ているため、女性であることが伺いしれる。
しかし頭に卵型のヘルメットを被っているので、顔は見えない。
「でもよくあの距離の射撃を避けることが出来たね、絶対ばれないと思ったのになぁ」
悪戯でもばれたかのように無邪気に拗ねるヒトガタを、一方通行は鼻で笑った。
「俺は何度狙われていると思ってンだ? あの程度の射撃読めなくてどォする。
わかりやすすぎンだよ、完全にあそこは射撃ポイントじゃねェか」
自動的な反射が出来なくなってからの彼は、臆病なほどの警戒を欠かしたことはない。
自分が出かける場所を考え、その道筋においてどこならば狙われやすいのか、
その手段は何が妥当か、そういった事を常に考え行動している。
(それにあそこからは、一度射撃されたことがあったからな)
何号の時だっただろうか、
彼は、絶対能力進化計画の時同じ場所から射撃されたことがあったのだ。
実験がこんな形で自分を救うとは思わず、心の中で苦笑する。
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